6月21日(土)、九州大学西新プラザ(福岡市)で開催された地中海学会第49回大会において、文化学部の梶原 洋一准教授が「地中海学会ヘレンド賞」を授与されました。「地中海学会ヘレンド賞」は、地中海文化研究に関する優れた著作・研究に対して1995年以来授与され続けてきた伝統ある学術賞であり、本学では過去にも文化学部の桑原 夏子准教授が著書『聖母の晩年 中世・ルネサンス期イタリアにおける図像の系譜』(名古屋大学出版会、2023年)によって同賞を受賞しています。
今回受賞の対象となったのは、梶原准教授がフランスで出版した著作 Du frère au maître. Les dominicains de France face au système universitaire des grades au Moyen Âge (Paris, Éditions du Cerf, 2022)です。本書は『修道士からマギステルへ–中世におけるフランスのドミニコ会士と大学学位制度』という表題が示すように、トマス・アクィナスを筆頭に学問活動でも有名な托鉢修道会であるドミニコ会にとって、大学神学部が発行する学位がいかなる意義を持ったか、学位制度が修道士及び修道会組織の行動をどのように規定したかを精緻に描き出した研究であり、中世地中海地域の社会的、文化的環境の理解にとって、国際的水準からみても極めて大きな成果をもたらしたことが評価されました。
授賞式の様子①
受賞の対象となった梶原准教授の著書
授賞式の様子②