ドイツ留学での生活と出来事 櫛田 心優さん
私は2025年2月から3月にかけてドイツの東部にある町、ライプチヒに1ヶ月間留学しました。海外に行くのも初めてで、海外できちんと生活できるのか、危険な目にあったりしないかなど、最初は楽しみよりも不安の方が大きかったです。
関西国際空港から飛行機に乗り、シンガポール経由でドイツに向かいました。シンガポールでドイツ行きの飛行機に乗り換えてからは、機内アナウンスや客室乗務員の方の行き交う言語が英語とドイツ語しかなく、海外に来ている実感が沸いてきました。寮生活、海外での授業、どれも初めての体験で、すべてが新鮮でした。
初めての買い物では、寮の近くのスーパーマーケットでヨーグルトを買いました。海外の人は冷たい印象があったので、不安に思いながら会計に進むとHallo!と元気よく挨拶してくれました。私の不安は無くなり、私も笑顔で応えました。会計後にはTschüss!(さようなら)と言われ、心が暖かくなりました。
また、初めてトラムという路面電車に乗った際、ベビーカーを押していたお母さんが笑顔で迎え入れてくれたのが印象に残っています。優しい人がこの町には多いと感じ、最初に感じていた不安な気持ちは少し取り除かれた気がしました。ドイツ滞在中はトラムに何度も乗りましたが、トラムではよく、ベビーカーに乗った赤ちゃんと目が合いました。赤ちゃんは普段見かけない姿の私たちを見て不思議に思ったのだと私は思いました。
トラムで驚いたことは、犬、スクーター、自転車なども一緒に乗せられるということでした。ただ、犬の大きさによっては追加のチケットを購入しないといけないらしいです。ライプチヒの道路はトラムの線路が張り巡らされていて、よく車と衝突しないなと感心しました。
ライプチヒ Goerdelerring駅前
私の寮からライプチヒの学校までは1時間ほどかかり、通学するためにはトラムに30分ほど乗らなければいけませんでした。京都産業大学の通学時間と比べるとほぼ同じでしたが、新しい生活ということもありライプチヒの通学時間の方が体感は短かったです。
学校へ到着すると、指定の教室に行き授業を受けることができます。授業に参加している生徒は全員日本の大学から来ている学生でした。授業は普段日本で受けている授業よりも活動的で、ペアワーク、グループワークが多く、特に私が印象に残っているのはペアでテーマについてドイツ語で話し合うという内容でした。自分が持っているすべてを発揮して話すので、最初は曖昧な感じでしか相手に伝わりませんでしたが、授業を重ねるたびに会話力が向上し、言いたいことを相手に伝えられるようになっていくため、成長できているという実感がありました。
先生は日本語が少しできる先生もいれば、全くできない先生もいました。そのため、ほぼ全てがドイツ語で、少し英語を交えた説明を受けていました。分からなくても絵や表情、ジェスチャーで表現してくれるので、ある程度は理解ができました。生徒は全員京都の大学生なので、ドイツの学生との交流は、担当してくれたレニーとローラだけでした。レニーとローラはライプチヒ大学の学生で、日本語が堪能で、私たちがライプチヒに到着した時から滞在中ずっとお世話になったドイツ人です。2人は日本が大好きで、日本のアニメや食べ物などについてたくさん話してくれました。また、ドイツの高速鉄道のチケット購入の仕方など、困ったことがあったときはいつも親身になって助けてくれました。
寮は一人部屋でしたが、京都産業大学の学生4人でキッチン、バスルームを共有して暮らしていました。4人がそれぞれ自分の得意なこと苦手なことを分かち合って助け合い、より仲良くなることができたと思います。またドイツにはRuhezeitという静かにしなければいけない時間帯があります。住まいによってその時間は異なりますが、一般的には22時~6時(7時)規定によってはお昼時の13時~15時です。その時間帯は掃除機、洗濯機の使用ができないので細心の注意を払って生活をしていました。
平日は授業があり、水曜日には遠足がありました。みんなでバスに乗りベルリンに行きました。ベルリンの壁を観覧し、ベルリンの壁の歴史についてドイツ語で説明を聞くことができました。また、自由時間が設けられ、私はAMPELMANN Shopという信号機の中にいるドイツで人気のキャラクターのグッズを販売しているお店で、自分がよく使うエコバッグを購入しました。集合時間になりバスに戻ると、バスの運転手さんが音楽をかけ、さらには踊って私たちをより楽しませてくれました。


ドイツで迎えた初めての週末には、友達とライプチヒ動物園という約27ヘクタールもの敷地で、ヨーロッパでもかなり有名な動物園に行き、様々な動物を観察しました。中でも私が一番気に入ったのはアフリカのエリアで、広大な柵の中でキリンとシマウマが一緒にいるところを見ました。野生のキリンとシマウマを見ているような感覚で、しばらくその姿に魅了されていました。ライプチヒ動物園は水族館も併設されていて、すべてのエリアを歩き回るのに半日かかり苦労しました。
ライプチヒ動物園で食べたBratwurst(焼きソーセージ)はパンとの相性が抜群で、食べ応えがありました。動物園内には飲食店が各エリアに配置されていたので、歩き疲れた際にはそこで休憩することができます。また、ボートに乗って一部のエリアを周ることができました。さらに、音声ガイドがついているため、動物園の歴史や動物を知ることができました。
ライプチヒ動物園は今まで私が行った動物園とスケールがとても違い、強く印象に残っていたので、私は授業で週末の出来事を発表するプレゼンテーションを行った際、ライプチヒ動物園について発表しました。

バリンゴキリンとグレビーシマウマ

次の週末はサッカーの試合のチケットを予約したので、ICEという高速鉄道に乗って友達とミュンヘンへ行きました。スポーツ観戦をしたのは初めてで、周りを見るとチームのグッズを身に着けている人が大勢いました。座席についたときの会場の盛り上がりは驚きで、その熱狂ぶりにはついていけませんでした。特にゴールを決めた時はみんなで立ち上がり大盛り上がりでした。会場の勢いに乗せられて私の熱量も上がり、購入するつもりがなかったキーホルダーを購入してしまいました。


休憩時間にある先生からスーパーマーケットで購入できる美味しいWurstを教えてもらいました。その先生によるとja!のソーセージがおいしいということで、早速買って食べたところ、格別に美味しいと感じました。肉汁があふれ、いくら食べても飽きず、何度も購入するほど絶品でした。


最初はスーパーに行くのも不安で、友達と一緒に行動しないと移動が困難だったのですが、段々とライプチヒの生活に慣れ、最終的には1人で寮の近所で散歩をしたり、ライプチヒ中央駅で買い物を楽しんだりしました。
地元の人がとても優しいと感じた出来事は多々あり、スーパーでペットボトルを取ろうとしたとき男性のお客さんが「手伝おうか?」と話しかけてくれたことや、会計の時おばあさんが買い物の量が多いため、自分に先を譲ってくれたりなど、心が温まる出来事が多かったと感じます。
この1ヶ月のドイツ留学で様々な人に触れ合って、すべてが新鮮で、私の物事に対する考え方が前向きな形で捉えられるように変わりました。