6月7日、文化学部京都文化学科の専門教育科目「京都文化フィールド演習M」(担当:成田 智恵子 准教授)の授業で、京仏師・村上湛雲氏の工房を訪問しました。この授業は、1年次生を対象に、京都の伝統産業に関連する工房を訪ね、職人の技や制作工程を直に観察しながら、ものづくりに込められた知恵を学ぶことを目的としています。


当日はまず、村上氏から仏師の仕事内容や仏像の種類、制作の流れについて説明を受けました。続いて、実際の仏像や制作に用いられる道具・材料を前に、工程の詳細な解説が行われました。特に、一木造と寄木造の技法の違いや、仏像の眼に水晶などをはめ込む「玉眼」の構造についての紹介には、多くの学生が強い関心を寄せていました。さらに、彫刻見本や実物の仏像、光背などに実際に触れる機会も設けられ、学生たちは息をのむような面持ちで、手のひらに伝わる木の質感や繊細な彫刻を確かめていました。


参加学生からは、以下のような感想が寄せられました。
「仏像の繊細さや、木目を精密に揃える高度な技術に感動した」
「仏像を制作している独特な空間を体感することができた」
「制作途中の仏像に触れたり、詳しい技法について学んだりと、普段の生活では得られない貴重な体験ができた」