京都産業大学経営学部では、多様なゲストスピーカーを招いた講義を積極的に実施しており、授業とは一味違った学びの機会を提供しています。2025年5月下旬、3年次生を中心に将来のキャリアを意識し始める学生や、インターンシップへの参加を検討する学生が増えてきました。
今回は、フリーランスのコーチ・講師として、大学生から経営者まで幅広い層に対するコーチングを活用したキャリア構築支援に携わると共に、法人向け研修や人材エージェントにおいてキャリアアドバイスを提供するなど活動の場を広げられている、ライフキャリアコーチの星山 芳実氏をお招きし、経営学部の4つのゼミが合同でキャリアワークショップ「自分軸を発見する」を開催しました。参加した学生にとって、自己分析を通じて「自分らしさ」と向き合い、将来の選択に自信を持つ機会となりました。
「自分軸」とは何か?
講義の冒頭で星山氏は、「自分軸」とは、自分の価値観や信念、目標を基準に判断・行動するための指針であると説明しました。就職活動においては、企業の知名度や条件といった“他人軸”ではなく、自分にとっての“価値”を基準に選択することが、納得のいくキャリアにつながると強調されました。
「自分年表」を通じた価値観の振り返り
ワークショップの前半では、学生たちが自身の過去を振り返る「自分年表」を作成しました。楽しかったこと、がんばれたこと、挫折したことなどを整理しながら、自分が大切にしてきた価値観を言語化していきました。星山氏は、学生一人ひとりのワークに目を通しながら、「書き方にもその人らしさが表れる」とコメントしました。
相互コーチングを通じた価値観の深堀り
続いて行われたのは、グループでの「相互コーチング」です。これは、質問や傾聴を通じて相手の内面の気づきを引き出すコミュニケーション手法です。初対面の学生同士がグループを組み、お互いの価値観を掘り下げていきました。最初は緊張していた学生たちも、次第に打ち解け、自分の想いを語り合う姿が印象的でした。
星山氏は、「知らない人からの問いかけは、面接の練習にもなる」と語り、学生たちにとって貴重な経験となりました。
未来の自分を描く
講座の終盤では、「何の制限もなかったら、どんな自分になりたいか?」という問いを通じて、理想の未来像を描くワークを実施しました。ロールモデルを探し、自分の価値観と重ね合わせながら、今後のアクションプランを考える時間となりました。自分自身を深く見つめ直す濃密な時間を経て、学生たちの表情には、充実感がにじんでいました。
星山氏からのメッセージ
学生の皆さんが、まっすぐにこちらを見ながら真剣に講義を聴いて下さりとても嬉しかったです。
今回は敢えて、普段あまり関わらない人とワークを共にしていただき、お互いにフィードバックし合うことを大切に致しました。自分の考えを言葉にすること、それを初対面の人に伝えてみること、全て就職活動において経験されていくことなので、是非今後も意識してみて下さい。
また、「自分軸」は簡単には言葉にできないと思いますが、講義でもお伝えしたように、これまでの経験一つ一つを棚卸ししてみること、そこから見つけたご自身が楽しいと思えること、得意と思えることを、是非発揮し経験する時間を作ってみて下さい。
行動する中で見えてくるもの、気づきが必ずあります。引き続き、皆さんが自分らしさを大切にしながら就職活動を進められることを応援しております。ありがとうございました。
学生からの声
- 高校や大学1年次にも自己理解の授業があったが、軽い気持ちで受けていることが多かった。しかし、将来で迷っているこのタイミングで受講することで、今以上にたくさん学ぶことがあった。過去を見つめ直すことで、現在や未来について考え直すきっかけになった。今日からでも始められそうなことを見つけれたので、早速就職活動に活かしたいと思った。自分にとって価値のある時間になって良かった。
- 今日は、普段関わることのないタイプの人たちと話す機会があり、とても新鮮でした。自分とは違う考え方や価値観に触れることで、「こんな見方もあるんだ」と視野が広がった気がします。どの人の話にも、それぞれの苦労や喜びがあって、それらが全部その人の人生を形作っていると感じました。改めて、人の数だけ人生があることを実感し、自分の経験も無駄じゃなかったと思えました。この気づきを、就職活動にも活かしていきたいです。