2025.06.13

“KAWAII”ヘンリー掃除機の日本拡大プランを考えよう!


5月23日(金)国際関係学部の専門講義科目「国際ビジネス論Ⅰ」(担当:植原行洋教授)では、加藤産業株式会社の加藤 大貴 代表取締役専務をお招きし、学生のプレゼンテーションについての講評とビジネスプランに関するご講演をいただきました。

(学生ライター 経営学部 2年次 野村 明花)

課題「ヘンリー君の日本市場拡大のプランを提案せよ!」

「ヘンリー君」はイギリスの清掃機器メーカー・ニュマティック社が製造する、かわいい顔が印象的な掃除機です。
授業の前半では、選ばれた3つのグループが15分以内で「ヘンリー掃除機の日本拡大プラン」についての発表を行いました。1つ目のグループは、ペットを飼っている家庭やペットショップをターゲットに、ヘンリー掃除機の活用を提案しました。Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の視点から戦略を立てる「4Pフレームワーク」を用いてバランスよく検討し、特にInstagramの活用や日本市場に合わせたローカライズ戦略は興味深かったです。2つ目のグループは、ヘンリーシリーズの乾湿両用掃除機である「チャールズ」に焦点を当てて発表しました。販売コンセプトの「家の外こそ、吸引すべき!落ち葉も木クズも泥水も?!吸って片付ける新時代」がとても斬新な考えで印象的でした。

最後のグループは、ヘンリー掃除機のサブスクリプションサービス導入について提案を行ないました。冒頭で「サブスクリプション」の仕組みを丁寧に説明しており、仕組みが分からない人にもわかりやすい内容だと思い、心を掴まれました。さらにキャッチフレーズとして掲げた「Henryはベンリー」が頭から離れないほど、印象的でした。

発表後、加藤氏と植原教授から講評がありました。「ターゲット層に一貫性があり、具体的だった」「キャッチフレーズがいい」「話の組み立てがうまい」「参入障壁を避けるのがいい」という高い評価が寄せられた一方で、「架空の顧客層であるペルソナが2つある場合、説明しているプロモーションがどちらを指しているのか分かりづらい」などの指摘がありました。「ペルソナが2つある時はターゲットを明確にして、それぞれに適した宣伝手段を使い分けるべきである」スライドについては、「言いたいことを全て書くのでなくスライド単体でも要点が伝わる構成にすることが大切だ」とアドバイスがありました。

ゲストスピーカーの加藤産業株式会社 加藤 大貴 代表取締役専務

後半は、加藤氏が「ヘンリー掃除機とその日本市場における現在地」と題して8つの項目について話してくださいました。加藤産業株式会社は1963年創業の清掃資機材・ビルメンテナンス用品を主に扱う専門商社です。取扱メーカーは100社以上で取扱商品は数万点と幅広く製品を扱っているそうです。
ヘンリー掃除機は、ほぼ全てのパーツが交換可能で、使用者でも修理が出来るという意外と構造がシンプルで耐用年数が長いところが強みですが、最大の強みは“KAWAII”ところです。ヘンリー掃除機の日本での使用はオフィスや店舗、クリニック、工場への出荷が多いそうです。また、輸入代理店制度と商社の役割についても説明がありました。商社が輸入代理店とユーザーの間に介入し、窓口を集約させることにより販売やアフターサービスの効率的な対応が可能になるそうです。


講義を通じて、「沢山の選択肢から仮説を立て→検証を繰り返すことがビジネス成功への道」という言葉が印象に残りました。何事においても、まずは行動して、失敗しながらでも自分にあった道を見つけていきたいです。