2025.06.13

中野宏幸教授のゼミで「鮎の汲み上げと放流」のフィールドワークを行いました!!

文化学部京都文化学科 中野 宏幸 教授の「観光文化演習ⅡA(4年次)」は、5月27日、京都府(水産課・観光室)と保津川漁業協同組合のご協力の下、桂川3号堰において、同志社大学の学生と合同で、天然鮎の汲み上げ並びに堰の上流での放流を行うフィールドワークを実施しました。京都府は関係自治体や地元の団体と連携し、川を活用した観光コンテンツの造成や磨き上げ等を図る取組「川の京都」に力を入れています。
今回のフィールドワークでは、まず保津川漁業協同組合の組合長の磯部 和雄氏より保津川漁協の活動の概況、鮎の汲み上げと放流の意義や方法について、ご説明をいただきました。続いて、桂川において、漁協の方の懇切なご指導の下、投げ網打ちにチャレンジしました。

投げ網打ちを行う学生
投げ網打ちを行う学生

天然の鮎は、両側回遊魚(りょうそくかいゆうぎょ)という海と淡水域の両方の生活史をもつ魚です。京都府を流れる川で生まれて、川を下り、大阪湾で豊富な動物性プランクトンなどを食べて成長します。春になって水温が高くなってくると、成長した鮎は大阪湾から約40km遡上し、秋に淡水域で産卵するという回遊サイクルをもっています。魚道の整備などの河川環境の整備は進んでいますが、こうした生活プロセスの中、堰のあるエリアでは、投網を打って鮎を捕まえ、上流に放流することにより、鮎の遡上をフォローしているのです。この作業は、天然鮎の遡上の状況を確認して、5月の下旬頃に行われます。令和7年度は、「京の川の恵みを活かす会」において、桂川3号堰にて遡上状況の調査が行われ、汲み上げ作業が進められています。

組合長の磯部 和雄氏と談笑する学生
組合長の磯部 和雄氏と談笑する学生

学生は何度も投網にトライして、打ち方の工夫を重ねていました。この活動を通じ、川と自然に親しみつつ、漁協や地元の方々とも懇親を深めました。

鮎の放流の準備作業
鮎の放流の準備作業
3号堰の上流での放流
3号堰の上流での放流

学生からは、今回の体験について、次のような声が聞かれました。

  • 鮎を上流へ行くための少し手助けを行うことで、翌年だけでなく将来の鮎の生態や地域の生態環境を守ることができるのだと思った。
  • 知識としてだけでなく実際に網を投げる現場や作業を見て、より具体的に取組の重要性を感じることができた。とても貴重な経験をすることができた。
  • 網を遠くまで広く投げるのは難しく苦労したが、自分の手で鮎を捕まえることができ、とても楽しく、貴重な時間だった。

地域においてさまざまな体験の機会をもち、地域の生活・文化や生態系への理解を深めながら、自然や環境との共生の視座を育んでいってほしいと思います。