京カレッジ京都力養成コース「京都の歴史のなかの食文化の諸相」が5月10日、17日、24日、31日の4日間、開催されました。
本講座は京都市と公益財団法人 大学コンソーシアム京都が主催する「京カレッジ」市民教養講座の京都力養成コースとして開講したもので、本学文化学部の教員2名と日本文化研究所の上席特別客員研究員(京都・観光文化検定試験1級合格者)7名、計9名の講師がリレー形式で、講義(於、キャンパスプラザ京都)とフィールドワーク(京都市中央市場 水産棟見学エリア・京の食文化ミュージアム・あじわい館)を行いました。
今年度の講座は、「京都の歴史のなかの食文化の諸相」に焦点をあて、史資料・地図・写真・新聞や雑誌の記事等の分析や現地調査等を踏まえた研究成果が披露されました。
5月24日のフィールドワークでは、「京の食文化をみる・あじわう・感じる」と題し、京都市中央市場 水産棟見学エリア・京の食文化ミュージアム・あじわい館を訪れました。
中江 好喜 講師(本学 日本文化研究所 上席特別客員研究員)による挨拶のあと、先ずは、京都市中央市場 水産棟見学エリアを訪問し、京の食文化ミュージアム・あじわい館の食の語り部 川添 智未氏から京都市中央卸売市場開設に至る経緯と、京都市中央卸売市場は1927(昭和2)年に全国に先駆けて開設された卸売市場であるという説明がありました。水産棟の入口から出口までの通路には、月ごとの魚の旬のカレンダーや、包丁の種類など一般の見学者にも分かりやすく掲示されていました。また、朝5時からはガラス越しにせりが見学でき、せりが行われていない時間帯でも、せりの映像や解説動画が楽しめるような工夫がされていました。京の食文化ミュージアム・あじわい館では、京の食文化を語る上で欠かせない「だし」の飲み比べをしました。昆布だし・かつおだし・一番だし・オリジナルブレンドだしの4種類のだし汁を順番に試飲しながら味の違いを楽しみました。
講座終了後のアンケートでは、「各講座の講師の知識の深さについて、感動しました。」「どの講義も個人的に興味があり、もっと知りたいと思った。」「分かりやすい資料が提示され理解が深まった。」
などの感想が寄せられました。
各回の講義テーマ
≪1日目≫
・第1講義「総論:京都の歴史のなかの食文化」吉野 秋二 文化学部 教授
・第2講義「京都の食文化を生み支えた水の力」久宗 圭一 日本文化研究所 上席特別客員研究員
・第3講義「京の食文化と豆腐-「新京都豆腐百珍」-」山本 茂博 日本文化研究所 上席特別客員研究員
≪2日目≫
・第4講義「王朝貴族の饗宴と酒」吉野 秋二 文化学部 教授
・第5講義「にしんそばと魚肥流通」森島 克一 日本文化研究所 上席特別客員研究員
・第6講義「祇園祭の「鱧」」木下 義久 日本文化研究所 上席特別客員研究員
≪3日目≫
・フィールドワーク「京の食文化をみる・あじわう・感じる」中江 好喜 日本文化研究所 上席特別客員研究員
≪4日目≫
・第7講義「幕末京都と旅メシ」笹部 昌利 文化学部 准教授
・第8講義「京都山国地区の鮎献上についての歴史的社会的考察」谷口 泰朗 日本文化研究所 上席特別客員研究員
・第9講義「文学作品にみる京都の名店-川端康成『古都』より-」奥村 恵子 日本文化研究所 上席特別客員研究員



「京の食文化をみる・あじわう・感じる」
集合(京都市中央市場 水産棟入口)



