2025.03.14

海外フィールド・リサーチ現地レポート(マセイ大学②)

広大なマセイ大学

ニュージーランドのマセイ大学で実施する海外FRプログラムについて、レポート第2弾です。
マセイ大学の海外FRプログラムに参加した学生は、3週間の研修を終え3月8日(土)に帰国しました。
参加学生がプログラムの後半を振り返りました。

ニュージーランド マセイ大学のレポート第1弾は、こちら!


(国際関係学部1年次 成田衣舞)

私を含め24人がニュージーランドのマセイ大学の海外FRプログラムに参加し、2月15日(土)から3月8日(土)まで3週間滞在し、ニュージーランドにおける環境保護と社会的包摂について学んできました。

まずは授業やアクティビティについてです。
様々なアクティビティを通して現地の自然や文化、生態系などについて学ぶことができました。特に印象に残っているのはゴート・アイランド海洋保護区に行ったことです。船のガラス越しに見える海の中は驚くほど澄んでいて魚や海藻がはっきりと観察できるほどでした。このボートツアーを通して、ニュージーランドの人々がどれほど海を大切にし、自然と共にしているのかを感じ、自然を守ることの大切さを改めて考えるきっかけになりました。

ゴート・アイランド海洋保護区の海の写真

透き通った海の中

その他にもTe Hanaでは、マオリ文化をより深く体験できる場所でした。ここでは、マオリの伝統的な家の説明を聞いたり、マオリの草木編みをはじめとした文化体験しました。特に、マオリの人々がどのように自然と共生しながら暮らしてきたのかを身をもって学ぶことができ、なぜニュージーランドの環境政策にマオリ思想が影響しているのかを理解する良い機会となりました。

マオリの伝統的建築(ファレヌイと呼ばれる集会用の建築は人間の体を模している)

Te Hanaでマオリの草木編みを体験

授業の最終日には、3週間の学びの集大成としての研究発表(プレゼンテーション)が課されました。研修テーマである「環境保護と社会的包摂」に関連していれば、テーマ設定は自由でしたが、各自が選んだテーマについて、その理由やテーマに関連する利点や問題点、実際のデータを使って情報収集を行う必要がありました。調査の過程で、どのように情報を整理し、分析するかが重要だと感じました。

プレゼンテーションの準備が終わると、各々プレゼンテーション練習に多くの時間を費やしました。教室だとザワザワしてしまうので、ニュージーランドの大自然の中を散歩しながら、芝生の上でリハーサルをする学生もたくさんいました。多くの苦労がありましたが、先生やスチューデントバディの協力を得て、分析力を高めることができました。この経験を通じて、テーマを深く掘り下げる力が養われ、より多角的に物事を考える力を身につけることができたと思います。

スチューデントバディーとプレゼン準備を進めながら雑談している様子

友達と散歩しながらプレゼン練習

次はホストファミリーについてです。
ホストファミリーの方と対面するまでは、私自身不安や緊張を感じていました。しかし、本当の家族のように迎え入れて下さり、不安や緊張なんて一瞬で飛んでいきました。私のホストファミリーは日本が大好きで、夕食にはよく味噌汁が出たり、日本の味に近い料理が多かったりしました。そのため、毎日の食事がとても楽しみでした。さらに、食後にはパウンドケーキなどの手作りスイーツを用意してくれたり、ニュージーランドのいろいろなお菓子を「試してみて!」とプレゼントしてくれたりと、食を通じてたくさんの文化を体験できました。

ホストファミリーの方が作ってくれた夕食

ホストファミリーの方が作ってくれたバナナパウンドケーキ

休日には、一緒にビーチへ行ったり、買い物に出かけたりと、たくさんの思い出を作ることができました。ただの滞在先ではなく、本当に「家族」として接してくれたことがとても嬉しかったです。ホームステイを通じて、日本と異なる文化にも触れました。たとえば、ニュージーランドには「いただきます」や「ごちそうさまでした」という習慣がありません。最初は食事の始まりや終わりにどうすればいいのか戸惑いましたが、小さな声で「いただきます」と言ってみると、ホストファミリーもカタコトの日本語で一緒に言ってくれたのが嬉しかったです。

また、ニュージーランドは多民族国家であり、私のホストファミリーもマザーはフィリピン出身、ファザーはロシア出身で、異なる文化が混ざり合う環境でした。友達のホストファミリーにも、インドやインドネシア出身の方がいるなど、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が暮らしていることを実感しました。特に驚いたのは、マザーが友人と電話する際、英語ではなくタガログ語を話していたことです。普段は英語で会話していたので、その瞬間に「母国語を大切にしているのだな」と感じました。

校終わりに一緒にスーパーへ

ホストファミリーの方が連れて行ってくれたビーチ

ニュージーランドでの3週間の生活を振り返ると、たくさんの貴重な経験ができたと思います。
英語しか使えない環境の中で過ごすのは、正直とても大変でした。自分の言いたいことをすぐには表現できなかったり、相手の言っていることを完全に理解できなかったりする場面が多く、もどかしさを感じることがありました。しかし、言いたいことがある時に笑顔でゆっくりと待ってくれるホストファミリーの方や友達の助けのおかげで、どうにかして英語で伝えようと試行錯誤していくうちに「伝えようとする力」が身についてきたように思います。
その他にも朝、学校に行く途中すれ違う度に「Hello」と声をかけて下さる方がいたり、ショッピングセンターなどでは「How are you?」と尋ねてくださったり、現地の方の優しさも身に染みて感じることができました。

今回この3週間のフィールドリサーチを通して、海外への関心や、もっと海外で学びたい、活躍したいという気持ちがより強くなり、自分自身を成長させるいい機会となりました。
とても貴重な3週間を体験させて頂いたことに感謝します。