経済学部菅原ゼミは、2020年度より宮津市の「府中をよくする地域会議」と連携し、宮津市府中地区の交流・関係・定住人口増加に向けたまちづくり事業に取り組んでいます。2024年度は、6月の現地視察、7月のオンライン・ミーティングを経て、11月には府中地区国分で芋ほり収穫祭を開催しました。これらを基にして、課題解決のための暮らし体験型観光プログラムのアイデアを発表しました。
第1回フィールドワーク
6月の現地視察では、まず府中地区の魅力を知るために観光地エリアである大垣を散策しました。続いて、地域会議の方に引率いただき、丹後郷土資料館、史跡国分寺跡、天橋立ワイナリーなどを巡りながら、今年度の共通テーマである国分の耕作放棄地を視察しました。
耕作放棄地を開墾したオリーブ農園
元伊勢籠神社を見学
沿岸の耕作放棄地
オンライン・ミーティング
視察から得た府中地区の魅力と課題をまとめるとともに、参考事例や文献にあたり、各班で耕作放棄地の利活用案を検討しました。6月・7月の2回のオンライン・ミーティングでは、利活用案のアイデアを地域会議の方々に聞いてもらい、現地視察からだけでは知ることのできなかった府中地区の事情や、アイデアの具体性などについて意見交換しました。
オンライン・ミーティング①
オンライン・ミーティング②
イベント準備
B班を中心に、耕作放棄地の利活用策の一例として、さつまいもの収穫イベントを実際に開催することになりました。整地、苗植え、栽培については、地域会議メンバーの一人である府中よしだファームさんにお願いし、学生はイベント当日の運営・広報を担当しました。
会場予定地
苗植え後
配布用チラシ
第2回フィールドワーク
11月に1泊2日のフィールドワークを行いました。1日目、B班は府中よしだファームさんらとの前日打合せや買い出し等の前日準備をしました。A班は、耕作放棄地を利用した分散型食フェスの提案のため、傘松公園にて観光客へのアンケート調査を実施しました。C班は、耕作放棄地での竹灯籠アート動画作成のため、地元住民や宮津天橋高校の高校生の協力の下、竹の切り出しから竹灯籠作成、耕作放棄地への設置と撮影を行いました。
アンケート調査(A班)
前日打合せ(B班)
竹灯籠アート(C班)
芋ほり収穫祭
2日目、府中地区内外から60人の親子連れの皆さんにご参加いただき、ゲームやコンテスト形式を交えながら芋ほり収穫祭を開催しました。芋ほりの後には、さつまいもご飯を使って参加者皆さん自身でおにぎりを作ってもらいました。天候にも恵まれ、とても満足していただけました。
収穫祭
朝礼
芋おにぎり会
成果報告会(ハイブリッド)
フィールドワークの結果やそれまでの調査等を基にして、12月に成果報告会を実施しました。時間的・資金的な制約のため学生は府中地区には行けませんでしたが、大学と府中公民館とをオンラインでつなぎ、3つの班がそれぞれの体験プログラム案を発表しました。報告会には、府中をよくする地域会議だけでなく、宮津市役所や京都府丹後振興局の方々にもご参加いただき、プログラム案の意図や府中地区の年中行事などについて意見交換しました。
成果報告会①
成果報告会②
成果報告会③
京都から発信する政策研究交流大会
今年度の活動の締めくくりとして、大学コンソーシアム京都主催の「京都から発信する政策研究交流大会」で口頭発表しました。他大学の参加学生や大会運営委員の大学教授などと、体験プログラムが地域コミュニティの活性化や交流・関係人口の増加に果たす役割などについて意見交換しました。
口頭発表①
口頭発表②
各班の提案内容
A班:宮津vacantour-空き地から始める新たなるツアー-
耕作放棄地を利用した食フェス。府中地区にあるいくつかの耕作放棄地を少し整地しキッチンカーに出店してもらう点在型の食フェスを提案しました。天橋立観光の2次観光として想定。グリーンスローモビリティを走らせるなどしてお客さんに府中を周遊してもらうことを目的としています。
B班:OIMO-宮津市府中地域の今と今後に向けて-
耕作放棄地を利用した収穫イベント。芋ほり収穫祭の結果を基にして、地域と地域外の人がイベントを通じて交流できるような仕組みを提案しました。作付け体験や、丹後郷土資料館に併設の古民家(旧永島家住宅)において収穫物を利用した調理体験などをセットして年間を通じて府中の魅力を感じてもらうことを目的としています。
C班:BANG BANG BOW~竹灯篭で照らす耕作放棄地〜
耕作放棄地を利用した竹灯籠イベント。放置竹林から学生自身で竹を切り出し、竹灯籠を作成、耕作放棄地において点灯しました。その様子を動画に撮影してSNSで公開することで、地域内外の人に放置竹林と耕作放棄地について認知してもらうことを目的としています。