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文化学部フィールドワーク

「ホンモノ」は答えを持っている。

  • 文化学部 3年次
    松村 早恵さん
  • 文化学部 3年次
    小林 靖晟さん

松村と小林が所属する平竹ゼミは「花街」がテーマだ。古くから京都のシンボルである舞妓(まいこ)が活躍する花街は、彼女たちを美しく見せる着物や履物、日本舞踊などさまざまな伝統産業や文化の上に成り立っている。そういった観点から花街が抱える問題と今後の発展について考えるのがメイン課題だ。
平竹ゼミでは「ホンモノ」の文化に触れることを目的に、花街はもちろん京都の伝統ある場所へフィールドワークに赴く。この日訪れた京都市京セラ美術館では、解説を聞きながら京都の伝統的な建築に関する展示を見て回った。
「西洋式建築の小学校をカフェにリノベーションするなど、時代に合わせて変化を加えながら伝統を残していこうとする街全体の熱量みたいなものを感じました」。
花街ももともとはお座敷で限られた人をもてなす格式の高い世界だったが、時代が変わって歌舞練場で舞を披露する観光向けのサービスが導入された。伝統を次世代へとつなぐための橋渡しをする人たちがいつの時代も存在しているのだ。
以前、花街でのフィールドワークで、松村は舞妓の履物「おこぼ」を造る職人、小林は舞妓の髪を結う髪結い師のもとをそれぞれ訪ねたことがあった。そこで2人が耳にしたのは「後継者不足」の現状。「結局、伝統を紡ぐのは人」。小林はフィールドワークを重ねる中でそう気付いた。
「このまま後継者がいなくなれば花街の存続も厳しくなります。それを食い止めるにはどうすればいいか」。
その答えにはまだたどり着けない。けれど、「ホンモノ」に触れて「問い」を重ねるたび、そこに関わる人たちの思いが見え隠れする。
「今度は私たちがその橋渡しをする存在になれたらいいなと思っています」。

撮影協力/京都市京セラ美術館

※掲載内容は取材当時のものです。

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