院生メッセージ

高井 智世(政治学)

私が大学院受験を考えた切っ掛けは、9.11アメリカ同時多発テロでした。ニュースを見て、「今、何が世界で起こっているのか」を知りたいと思ったのです。そこで、学部時代から、先生に積極的に質問をしにいって、文献を紹介していただいたりしていました。
大学院での授業は少人数で行われます。中には先生とマン・ツー・マンの授業もあります。その中で、自分の認識の甘さが暴露される事もあれば、反対に、曖昧だった考えがはっきりと形になることもあります。
私の研究テーマは19世紀末のオーストリア・ハプスブルク帝国における精神史なのですが、一見古い時代のことを扱っているに見えて、やはり歴史は流れであり、今日まで連なっていることを日々実感させられます。精神史と社会状況の絡み合いは、研究していてドラマチックでありスリリングでもありますが、それを解きほぐして分析していくのは本当に大変です。勉強すべきことが山積みです。
現在、私はドイツのパッサウ大学に留学中です。今まで当たり前だと思っていた事が、当たり前になされなかったり、出来なかったり。もどかしくて辛い時もありますが、日本に逃げて帰りたいとは思いません。異なる文化、様々な文化圏の友人たち。そのような中での生活は毎日が新発見です。そして、学部、大学院で学んできた事が、この留学で多いに活きているのを感じます。
研究は楽ではありません。しかし、刺激的でわくわくします。世界が変わります。この感覚を、一人でも多くの人と分かち合えれば、と思います。

二方 一行(法律学)

私は、京都の某経理専門学校を卒業後、21歳の時に会計事務所に就職し、以来14年間この職業に従事してきました。京都産業大学大学院にお世話になろうと思ったきっかけは、資格(税理士)取得での科目免除ですが、その思いを、「現在の担当先に迷惑をかけない」「仕事も残業等でカバーできる」と、職場の上司や同僚に話したところ、快く応援してくれることになり、34歳で決断したというわけです。私は、会社の経営を考えていく立場でありますので、税理士の資格が重要にもなりますし、会社のため後輩のためにも、やるなら今しかないと思い、当大学院に入学しました。仕事と学業の両立は、並大抵のことではありませんが、自分で選んだ道ですので、現在は充実した毎日を送っています。
学校へ通うペースは、春学期は週に3回、秋学期は2回。大学院1年目は、必要な科目を履修し終え、2年目では、修士論文に集中するという計画です。研究テーマは「相続税法と民法との関わり」というテーマに取り組んでおりますが、会計業務の実務経験も生かしながら研究していきたいと考えています。大学院の勉強の進め方は、教授とマンツーマンになることも多いですし、受身だけの講義ではなく、自身も問題一つ一つに興味を持ちながら取り組んでいかなければなりません。大変ですが、法律を学問として捉える視点、判例や学説を理解しながらの勉強は、今まで実務からアプローチする思考であった私にとって、とても新鮮で、かつ興味深いものであり、実務では得られなかった知識を相当に得ている現況に、資格取得だけではないメリットを感じています。
私が社会人院生であることを理解してくれている先生や同級生をはじめ、そして会社の同僚にも助けられて勉強出来ているのですから、それに応えるためにも、大学院で大いに学びたいと思っております。

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