教員紹介若林 憲一

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若林 憲一WAKABAYASHI KEN-ICHI

生命科学部 産業生命科学科 教授

専門分野
細胞生物学(細胞運動)、植物生理学、光生物学

研究テーマ・内容

緑藻類の光反応行動のメカニズムと意義について研究しています。
生物が外部からの刺激に応答して自律的に行動を変容させることは、いかにも生物らしい特徴の1つです。私たちの研究材料である遊泳性の微細藻類の多くは、光合成に適した環境に移動するために、走光性などの光反応行動を示します。真核藻類のモデルである単細胞緑藻クラミドモナスは眼点で光を感受し、2本の繊毛(鞭毛)の打ち方を調節して方向転換します。この過程は光感受後1秒以内に起こる迅速なもののため、生物の光反応行動の良いモデルとなっています。私たちは、クラミドモナスや、その近縁の多細胞緑藻ボルボックスの仲間を材料に、

  • 光の方向・強度等の情報が細胞内でどのように処理されているのか
  • その情報はどのようにして繊毛運動を調節するのか
  • 光反応行動は藻類の生存にどのように貢献するのか

の3つの疑問に分子レベルで回答することを目指した研究を行っています。また、藻類は重要な一次生産者です。こうした研究の成果が、有用藻類増産や有害藻類ブルーム問題解決などの社会貢献につながる可能性を模索しています。
それに加えて、クラミドモナスやその走光性、顕微鏡像を利用した微生物アートにも興味を持っています。「きれい」「面白い」を入り口に、その画像を可能にする生物学的な知識の啓蒙に役立てばと思っています。

担当科目

春学期

環境生態学2、環境生命科学、フレッシャーズセミナー、化学通論A、生命科学インターンシップ、生命科学フィールドワーク演習、産業生命科学特別研究2、生命科学プロジェクト研究2

秋学期

化学実験、産業生命科学特別研究1、産業生命科学演習2、生命科学概論、生命科学プロジェクト研究1、生命科学インターンシップ、生命科学フィールドワーク演習、産業生命科学特別研究2、生命科学プロジェクト研究2

プロフィール

1972年イギリス生まれ(すぐに東京に転居)。東京出身。1996年東京大学理学部生物学科卒。2001年同大学院理学系研究科生物科学専攻修了(博士(理学)の学位取得)。同年、基礎生物学研究所非常勤研究員。2002年University of Connecticut Health Center (USA), Postdoctoral Fellow。2005年東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻助手(2007年から助教)。2012年東京工業大学資源化学研究所(2016年同科学技術創成研究院化学生命科学研究所に改組)准教授。2023年4月より現職。

受験生へのメッセージ

生物学の教科書の内容に興味を持ったなら、その行間に埋まっている「?」を、一緒に「!」に変えていきましょう。

分属前学生へのメッセージ

クラミドモナスなどの泳ぐ緑藻類が光に応じて動き方を変えるメカニズム(How)と意義(Why)、そして応用展開(Application)を探ります。藻類の遊泳や光反応行動の様子は可愛らしいですが、その生態は今後の人類の行く末を良くも悪くも左右する可能性があります。細胞が運動する様子を観察することに興味をもったら、ぜひ一緒に研究しましょう。そして、そのメカニズムについてでも、応用法でも良いので、自分だけのクエスチョンやアイディアを、情熱を傾けてひねり出しましょう。

研究室の構成、様子、特別行事など

2023年4月に始まった新しい研究室です。新しい研究室の文化を一緒に作っていきましょう。

研究室:15号館1階15104室
E-mail: kwakabayashi@cc.kyoto-su.ac.jp


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