久禮 旦雄

KURE ASAO
法学部 教授
学位
博士(法学)
専門分野
法制史

研究テーマ

日本法制文化史

高校生に向けた研究内容の紹介

近年、「法制史」の研究は成文法のみならず、人々の行動を規定する文化・習慣や社会の枠組みまで含めた「法社会史」研究として展開しつつあります。自分自身で決定しているように見えて、実は決定の方向は社会によって規定されているということはよくあることです。より広い視野で物事をみることは、考え方を柔軟にします。それによって決定の幅を広げ、よりよい生き方が選択できるようにすることが、現代社会における法制史研究の意義といえます。具体的には、日本古代における神祇祭祀の法制度、皇位継承・皇室制度の歴史などを研究対象としています。

ゼミナール/研究室のテーマ

日本法制史の基礎的研究

日本史上の諸問題を、法制史(法史学)の立場から検討し解明することを目指します。春学期は法制史関係の文献を講読し、報告者のまとめた要点・問題点に基づき全員参加の議論を行います。秋学期は、各自の関心のある法制史のテーマについて報告を行い、全員参加の議論を行います。

ゼミ/卒業研究の紹介

日本法制史のゼミを担当しています。2・3回生のゼミでは春学期に、さまざまな、広い意味での日本法制史についての概説書を読み、学生諸君の発表の後に意見交換を行い、歴史の様々な見方を学びます。秋学期には日本法制史に関する史料について、学生諸君の個別の報告を行い、意見交換をすることで、史料の読解について認識を深めます。以上の前提の上に、4回生ゼミでは日本法制史に関する個別のレポートを1年かけて作成します。

プロフィール

大阪で生まれ、京都で学生生活を送り、文化史と法制史を学びました。読書・観劇・博物館めぐりが趣味です。平成から令和の代替わりに際しては、テレビ・新聞などで解説を行い、以後、京都の皇室関係の寺社などについての解説・案内の仕事もしています。東アジア恠異学会のメンバーとして、怪異・妖怪の歴史についての仕事も少々。

高校生へのメッセージ

法制史は、法律を歴史的にとらえることで、現在の法制度を相対化し、柔軟にとらえることで、法制度をよりよい方向に改善していく役割があります(ミッタイス『ドイツ法制史概説』)。法制史も含めた基礎法学というジャンルは、学んだからといって明日から役立つというものではありませんが、秩序にしばられず、秩序を守り、新しく創造していくために必要な学問体系といえます。関心がある方の参加をお待ちしています。