
研究テーマ
高校生に向けた研究内容の紹介
私たちがものを考えたり、感情を感じたり、まわりとコミュニケーションをとったりする際の身体や脳の情報を、視線や脳波など様々な方法で計測して分析し、人に役立つ情報システムや社会の仕組みに応用する研究を行っています。眼の動きだけでコンピュータに文字を入力させるシステムや、自分の脳波を望みの状態に調節する訓練を通して自分の能力の向上を試す研究など、人工知能を含む情報環境と人間の新しい関係の可能性を追求しています。
脳に宿る"情報"を読み取る-人間の脳認知情報処理
人間の脳活動を分析し、その情報を活用した人の役に立つシステムの創出を目的としています。
脳は「記憶する」「計算する」「考える」といった知的機能のほか、「うれしい」「悲しい」といった感情をコントロールする機能を備えています。例えば、「楽しい」と感じている時の脳の動きに特徴があれば、その計測データを基に「この人は今、楽しんでいる」という推測ができます。本人も自覚していない状態を客観的に感知するシステムを構築することで、その人の望むものや好みの傾向が分かり、「もっと楽しくさせるには」といった応用を加えることができます。
脳活動の分析は人間そのものを知ることにつながります。そこに、データサイエンスやロボットインタラクション、メディア処理などさまざまな技術を掛け合わせれば、活用方法はさらに広がっていく。スマホなどに搭載されている自動翻訳や画像認識といったシステムも、脳科学とAIを組み合わせて発展した例の1つです。
脳に宿る情報は複雑で難解。それを1つずつ解明できれば、私たちがまだ知らない人間の新たな可能性を引き出せるかもしれません。
ゼミナール/研究室のテーマ
人間の脳認知情報処理
見たり聞いたり、感情を持って他人とコミュニケーションを取ったりといった、私たち人間が持つ優れた認知情報処理が、脳や身体を使ってどのように実現されるかを研究しています。人間の脳認知情報処理のメカニズムをコンピュータシステムに応用したり、私たちの生活や社会を豊かにサポートしたりする仕組みを提案することを目指しています。
ゼミ/卒業研究の紹介
特別研究では、学生が各自の興味をもとに研究テーマを設定するところから始め、実験環境開発やシステム構築、実験実施とデータ分析、応用提案と検証などの研究活動に、試行錯誤しながら取り組みます。最終的に成果を研究論文にまとめ、皆の前で発表・説明します。自分が「面白い」「知りたい」と思って始めたことを、具体的な研究成果のかたちにまでまとめあげる経験は、達成感・充実感とともに、社会での自信や問題解決能力を身に付けることに大きく役立ちます。