
荻原 剛志
OGIHARA TAKESHI
情報理工学部 情報理工学科 教授
- 学位
- 工学博士
- 専門分野
- ソフトウェア工学、オペレーティングシステム、データ圧縮アルゴリズム
研究テーマ
ICTの活用による教育用ソフトウェアの提案と開発
高校生に向けた研究内容の紹介
現在提供されている教育用ソフトウェアは、それを教育に利用する教員を「情報処理の技術に疎い初学者」であると仮定したようなものばかりです。教員側に情報処理の知識が相応にあると仮定すれば、より便利で学習効果が高いソフトウェアが提供できると考えて研究に取り組んでいます。
プログラム修正を最小限に抑え開発プロセスの最適化を図る-ソフトウェアアーキテクチャの構築手法に関する研究
ソフトウェアは、完成後も機能の書き換えが可能です。しかし無計画に行うとプログラムのコードは複雑さを増し、不具合も発生しやすくなり開発効率は大きくダウンします。いかにプログラムの書き換えを最小化するか。そのために重要なのが「ソフトウェアアーキテクチャ」と呼ばれる、ソフトウェアの設計・構造を表す概念です。その構築手法をさまざまに検討することで、社会におけるソフトウェア開発の効率性向上に寄与できると考え、研究を行っています。
本研究室には、ソフトウェアやアプリの制作に関心の高い学生が多く、基礎となる考え方を身に付け、自分がつくりたいものを明確に思い描き、実現できるよう能力が身に付くように指導しています。
開発の途上で自分に足りない知識や能力を自覚し、吸収していく中で、何十年先も社会に通じる、高度な情報技術が備わるでしょう。
ゼミナール/研究室のテーマ
ソフトウェアアーキテクチャの構築手法に関する研究
情報システムは、多くのソフトウェアが部品として組み合わされてつくられていますが、その構築の仕方をソフトウェアアーキテクチャと呼びます。ソフトウェアはいったん完成した後でも機能の修正や追加が頻繁に行われます。この時、できるだけプログラムの書き換えなしに済ませられるようなソフトウェアのつくり方や設計手法について研究しています。
ゼミ/卒業研究の紹介
3年生のゼミでは、学部の授業で扱わないプログラミング言語の輪講(C++、GO、Rustなど)、および学部の演習では不足している、C言語のポインタ、動的メモリを使ったアルゴリズムなどの演習を行っています。4年生は、自らの問題意識に基づいて調査、検討して卒論のテーマを決めて行くという作業を行なっています。これまでのテーマとしては、スマホアプリの試作、ソフトウェア開発手法の検討・提案、などがあります。
プロフィール
長野県上田高等学校卒業。山梨大学(研究室では好きなことを自由にやらせてもらいました。大学の教員を目指した理由のひとつでもあります)を経て大阪大学で学位を取得。大阪大学在籍当時に現在のmacOSの前身であるNeXTコンピュータシステムに関わり、それ以来、UNIX、macOS、iOSなどのソフトウェア開発を行なっています。Swift言語、Objective-C言語の書籍を出版しています。
高校生へのメッセージ
スマホを持っていても、大学生は世の中を知らなすぎます。誰かの作った情報や仲間内の雑談に囲まれてぼんやり生きるのは、「情報弱者」というより「情報家畜」。半ば自戒を込めて言うのですが、自由により良く生きるためには正しい情報が必須です。正しくものを見るには知識と知恵が必要です。それは自分で獲得しなければなりません。