中島 伸介

NAKAJIMA SHINSUKE
情報理工学部 情報理工学科 教授
学位
博士(情報学)
専門分野
情報学、データ工学、情報推薦、ソーシャルメディア分析

研究テーマ

ソーシャルメディア分析と情報推薦

高校生に向けた研究内容の紹介

ソーシャルメディア分析やこれを用いた情報推薦システムに関する研究を行っています。SNSやWeb上で投稿される口コミ等には、一般ユーザの本音が含まれているため、これを適切に分析することで世の中のトレンドや商品サービスに対する意見の抽出およびスコア化に取り組んでいます。また、この結果を用いた情報推薦システムの開発を行うことで、各ユーザにとって有益な情報を提供することを目指しています。

老若男女、全ての人を情報技術で「幸せ」につなぐ。-Webマイニングおよび 情報推薦技術

Webマイニングと情報推薦技術の研究をしています。マイニングとは「掘り起こす」こと。Webデータという玉石混交のデータの集まりから有用な情報や価値を掘り起こしていく技術です。例えばブログデータから信頼性の高い情報だけを取り出すといった研究もあります。
一方、情報推薦技術は、Webなどに蓄積されたデータから必要な情報を必要とする人に提供する仕組み。最近では、人を幸せにする情報を提供する「幸せ推薦」の研究に取り組んでいます。猫好きの人が街を歩いたら「この先に猫カフェがあります」と教えてあげるとか。人が幸せを感じるモノやコトをSNSなどへの発信データから特定して、その人にとって価値のある情報を、GPSの位置情報や地図情報などと連動させて探し出し、提供します。
従来の情報推薦技術は、主に「こういう商品はいかがですか?」といった商品推薦に使われていました。しかし私の研究では「本当に人を幸せにする情報」を届けることが目標です。膨大なデータから信頼に値する情報を掘り起こし、それを人々の幸せにつなげていく。
特にパソコンやスマホを使いこなせないお年寄りや子どもでも、情報技術の恩恵を受けられる仕組みをつくることが私の理想であり、社会に貢献できる道だと考えています。

ゼミナール/研究室のテーマ

データサイエンスとユーザ行動支援

ユーザが投稿したレビューデータを分析することで化粧品やホテル等に対する自動スコアリングを可能にする技術や、これを用いた推薦技術の開発に取り組んでいます。また、ランニングや健康のためのウォーキングをサポートする音響型拡張現実感に関する技術の開発や、人々の幸せ体験の蓄積と分析を行うことで、“幸せ体験”そのものを推薦することを可能にする技術の開発にも取り組んでいます。

ゼミ/卒業研究の紹介

中島研究室では、講義科目で学んだ情報理工学の基礎知識を踏まえて、学生一人一人が個別の研究テーマを提案し研究を行います。また、得られた研究成果を、大学内の研究発表会だけではなく、学会で発表することを目指しています。もちろん簡単なことではありませんが、教員や大学院生のサポートを受けることが出来ますし、学生同士でワイワイ相談しながら楽しそうに取り組んでいます。

プロフィール

大学受験で浪人、部活動(アメフト)に没頭しすぎての留年、更に卒業論文提出直前に阪神大震災で実験装置が粉々になるなどの数々の挫折を味わいながらも博士課程まで進んだが中退。その後環境コンサルタント会社で働いていたが、やはり博士の学位を取りたいという思いから京都大学大学院の博士課程に進み、それまでの専門とは全く異なる情報学を学ぶ。この経験から「人生は失敗だらけ、ただし諦めないかぎり敗者ではない」を信条とする。

高校生へのメッセージ

情報理工学分野に限らず、どんな分野に進むにしても、自分の好きなこと、興味を持てることを見つけてください。そして自分が自分を好きになれるような、将来成りたい自分(将来像)を想像して、そんな自分に近づく努力をしてみて下さい。楽しい将来を想像すれば、多少の苦労があっても頑張れると思います。是非、10年後20年後の幸せを掴み取ってください!