
永谷 直久
- 学位
- 博士(工学)
- 専門分野
- バーチャルリアリティ、行動生態学、認知工学、ヒューマンインターフェース
研究テーマ
高校生に向けた研究内容の紹介
人や節足動物などの動物の行動特性を研究し、そのメカニズムを活用して、情報を生成・創出する新しい技術的枠組みを開発します。本研究は、生物の行動や運動パターンをデータ化し、それをエンタテインメントや教育、さらには創造的なデザイン分野に応用することを目指します。このアプローチにより、人と異なる身体性を持つゲームキャラクタのモーション自動生成や、指一本で物体を操作できる新たな操作機構の開発などを目指します。
昆虫の行動軌跡を解明し
レスキューロボットの開発に活かす。
子育てや餌探しなど、集団で行動するアリ。しかし、どのように餌を探し当てているのかは明らかになっておらず、そこには効率的に餌を探し当てるための探索の仕方があるはずです。そこで、アリの探査アルゴリズムを解明するために、昆虫用のVR実験装置を開発。学生自ら設計図を作成し、3Dプリンタを用いて装置をつくることから研究に取り組んでいます。VRにより無限の平面をつくり出し、数年かけて行動の軌跡を解析していく中で、一定のアルゴリズムが見えてきました。一見、人間には関係のない研究のように見えますが、未知に広がる空間内で効率的に餌を探す行動は、災害時のがれきや障害物がある中で、いち早く被災者を発見する救助活動に置き換えることができます。このデータをもとに、災害時に活躍するレスキューロボットの開発や、月や火星を探査するロボットの改良に応用できると考えています。
メッセージ
研究には、明確な答えや解法がありません。正しい答えを求めるのではなく、いろんな視点からアプローチする柔軟な姿勢が大切です。この研究室では、個人のテーマ研究だけではなく、学外のVRコンテストやハッカソンなどにも積極的に取り組んでいます。好奇心と根気をもち、興味を探究したいと思う人と一緒に活動していけたらと思います。
ダンゴムシの行動の軌跡を集計する装置。歩行に合わせ地面の球体が回転、連続してデータを計測することができます。
研究室内にある3Dプリンタは自由に扱うことが可能。自らの手で研究テーマに必要な実験装置をつくっています。
ゼミナール/研究室のテーマ
超感覚インタフェース
ヒトが感覚器を通して認識できる情報は限られています。もし、犬並みの嗅覚や隼のような視力を得たならば、スパイダーマンのような超人になれるかもしれません。このような生得的な能力を超えた「超感覚」を工学的に実現し、感覚補助技術やエンターテインメント分野などへの応用を目指します。また、ヒトや昆虫の感覚知覚特性を備えたセンサの開発も行っています。
ゼミ/卒業研究の紹介
永谷研究室では、生物の行動や動きを研究し、それを活用した新しい技術やシステムの開発に取り組みます。計測装置や実験装置を自分たちで設計・制作するDIYスタイルで、データを収集・解析し、昆虫の動きを観察する装置やゲームキャラクターのモーション生成技術を開発します。ものづくりとデータ解析のスキルを実践的に身につけ、卒業後はゲーム開発やIT分野、研究職など、多彩なキャリアに活かせる力を養います!