棟方 渚

MUNEKATA NAGISA
情報理工学部 情報理工学科 教授
学位
博士(システム情報科学)
専門分野
生体信号、バイオフィードバック、インタラクティブシステム

研究テーマ

ヒューマンコンピュータインタラクション

高校生に向けた研究内容の紹介

人と人工物(コンピュータ、ロボット、ゲーム等)との持続的な関係性を構築することを目的として、情報学、コミュニケーション学、心理学、生理学、デザイン学など、様々な学問の知識を取り入れながら研究しています。人と人工物の持続的な関係性が実現できれば、人に寄り添い続けるロボットの開発や、勉強や運動などのトレーニングをずっと続けていられるようなe-Learningシステムなどの開発が可能となります。

ゼミ/卒業研究の紹介

私の研究室では、学生一人一人が強いモチベーションを持って研究に取り組めるように、それぞれの興味や関心を基礎としたオリジナルの研究テーマを進めてもらいます。VRやモバイルアプリケーション、ゲームの開発やそれらの客観的・主観的評価を行ったり、趣味(筋トレ、料理、楽器演奏など)の支援を行ったりするなど、学生のやりたいことを可能な限りサポートし、議論をしながら目標に向かって取り組んでいます。

プロフィール

北海道の田舎で海と山に囲まれて幼少期を過ごしました。今思えば、競争とは無縁の暮らしで、結果的にのんびりとした人間に育ちました。研究者である今は、好きなことを生業としている幸運に感謝しつつ、常に探求し続ける挑戦者としての姿勢を忘れずに、貪欲に研究活動を続けていきたいと考えています。

高校生へのメッセージ

新しいことや未知なことに挑戦することは、たとえそれが失敗しても人生の糧となって、あなたを支える強固な土台となってくれます。成功だけで、人は成長しません。自分の選択に自信をもって、様々なことに挑戦してみてください

ゼミナール/研究室のテーマ

「好き」が社会を変える技術になる

私の研究室では、「人間と人工物との持続的なインタラクション」をテーマに、人がロボットやシステム、AIなどの人工物とどのように関わり、人の心や行動にどう影響するかを探究しています。「ロボットと人のコミュニケーションはどうあるべきか」「観光地で本当に役立つアプリとは?」「認知症患者の心を、生体信号からどう読み解くか」。これらは全て、人間を中心に据えた問いです。単に便利な機能を作るのではなく、社会で使われた時に人がどう感じるか、どう幸福になれるかも含めてデザインし、検証するのがミッションです。
研究の出発点は、個々人の「好き」や「なぜ」という素朴な興味です。「旅行が好き」「食べるのが好き」「電車が好き」。一見、学問とは無関係に見える興味も、徹底的に掘り下げれば立派な研究の種になるのです。決して趣味で終わらせてはいけません。「なぜそれが好きなのか」「そこにどんな課題があるのか」を論理的に分解し、他者に伝わるシステムや論文に昇華させていきます。内面にあるボンヤリとした興味を、鋭い学術的問いに変える思考訓練を、対話を通して徹底的に行います。
最大の特長は、研究室の中だけで完結させないことです。企業やデザイナーと連携し、フィールドに出て実証実験を行います。2025年には実際の観光地で観光アプリの実証実験を行い、AIクローンを用いた対話システムの開発にも取り組みました。また、認知症患者に装着したセンサーから心拍などの生体信号を測定し、言葉にならない「心の動き」を探る研究も行っています。現場に出れば、想定外のトラブルや厳しい意見に直面することもあります。しかし、リアルな社会の反応こそが、技術を磨く一番の教師です。その道のプロと共にモノづくりをする経験や、ユーザーからのフィードバックを得る経験は、エンジニアとしての視座を高く引き上げてくれます。
ここで養ってほしいのは、最新の技術力だけではありません。困難な状況すらも面白がり、しなやかに乗り越えていける「たくましさ」です。どのような進路に進んでも、自分の技術と人間力を信じて社会で活躍できる、そんな人材を育てたいと思っています。