正躰 朝香

SHOTAI ASAKA
国際関係学部 国際関係学科 教授
学位
修士(学術)(東京大学)
専門分野
国際関係論、国際文化論、ヨーロッパ国際政治

研究テーマ

ヨーロッパにおける文化的多様性の「尊重」と「管理」

高校生に向けた研究内容の紹介

「ヨーロッパにおける文化的多様性の尊重と管理」をテーマとして、民族対立、移民・難民問題、多文化主義政策や社会統合などについて、おもにヨーロッパ地域をフィールドとして研究しています。例えば、EU統合の深化はベルギーの民族間関係や連邦制度にどのような影響を与えたか。EUの文化領域の政策において、各次元の文化的多様性(加盟国文化の多様性、加盟国内の地域文化の多様性、移民マイノリティ文化の多様性)はそれぞれどのように扱われているのか、などです。文化に起因する対立を調停しうる方策についての貢献を目指しています。

ゼミナール/研究室のテーマ

「対立」を分析し、「共存」の可能性を探る

国際社会の課題に挑む力を身に付ける

「国際社会において文化的に異なる集団がいかに共存できるか」をテーマに掲げています。
民族紛争や、移民・難民問題、多文化主義などに加えて、環境、人権、貧困などグローバルな課題の背景にある「価値の対立」を考えます。また、学生が興味をもった最新のニュースを題材に、国際社会の「今」と「現実」を捉え、プレゼンテーションやディスカッションを通して、多様な価値にふれることで考えを深めます。例えば、「ヨーロッパへの難民流入」「ワクチンの公平な分配」「アメリカの人種差別」など、世界的なニュースの背景にある「対立点」を領域横断的に分析し、「協調・共存」の可能性を探ります。
国際関係の学びの本質は、複雑な課題を政治・経済・社会・文化・歴史など多様な切り口で分析し、解決への糸口を探すことです。専門的な知識に裏打ちされた分析力や発信力は、どのような進路を選択しようとも、多様な価値が衝突する社会で直面する難題に挑む力になるはずです。

ゼミ/卒業研究の紹介

「国際社会において文化や価値、規範の異なる集団が、対立・紛争から協調・共存にむかうための妥協点、合意点をいかに見いだすか」という大きなテーマに向き合います。民族紛争や移民・難民問題、貧困や人権、環境など地球規模の課題における規範形成などを、世界各地域の多様な事例から考えています。文献を読み、情報を集め、考察し、ゼミ生同士で分析と議論をくりかえすことで、日々変化する複雑な国際関係を多角的に分析する面白さを感じることができます。

プロフィール

名古屋の出身で、大学、大学院、研究員と東京で過ごしてから関西にきましたが、ついに関西圏での時間が人生で一番長くなりました。京都独特の暑さと溢れる観光客にはいつまでたっても慣れませんが、京産大の緑豊かな綺麗なキャンパスと、そこから見渡せる景色には癒しと愛着を感じています。

高校生へのメッセージ

国際関係学は、日本もふくめて世界中でおこる様々な事象に、政治、経済、社会、文化、歴史、法律など多角的な領域からアプローチする分野横断的な学問です。みなさんは、国内外のどこにいても、どのような職業についても、世界の動きと無関係ではいられない時代を生きています。複雑に変化する国際関係を「自分ごと」として理解し、分析し、自分なりの意見を発信する力は、みなさんのこれからの人生の強い「武器」になります。