川島 理恵

KAWASHIMA MICHIE
国際関係学部 国際関係学科 教授
学位
Ph.D in Sociology
専門分野
異文化コミュニケーション、医療社会学、会話分析

研究テーマ

医療社会学、ヘルスコミュニケーション、会話分析

高校生に向けた研究内容の紹介

会話分析という手法を使って主に医療分野の意思決定過程に関する研究を行っています。技術革新によってもたらされる選択肢の広がりと社会や人の相互行為の往還的な関係について研究しています。例えば、医療技術の発展により複雑な治療や検査が可能になってきた不妊治療、救命医療や遺伝カウンセリングの研究では、いかに患者や家族、クライアントが納得して治療方針を選択できるのかを研究しています。また産業総合研究所と共同して行っているジェスチャーインタフェースの研究では、障がいなどの理由で社会参加が難しい方々がリモートでロボットやコンピューターを操作して働いたり、さまざまな人と関わるネットコミュニティーに参加されたりする様子を研究しています。

ゼミナール/研究室のテーマ

国際社会を生き抜くコミュニケーションとは:会話分析の観点から

国際社会に必要なコミュニケーション能力とは?

グローバリゼーションの進む社会においてさまざまな立場の人々が関わりあう中で、どういったコミュニケーション力が必要とされているのでしょうか。このゼミでは、社会学の方法論である会話分析を使って会話の仕組みを解明することで、さまざまな現場の課題解決に向けた研究を進めています。国、社会、文化といったものから価値観や態度などさまざまな違いを乗り越え、共通理解を形成しながら、関係性を結ぶ会話の仕組みを明らかにしていきます。川島ゼミでは各自興味のある現場においてフィールドワーク、インタビューを行いつつ録画・録音データを収集し、分析していきます。例えば、ビジネスコミュニケーションに興味がある学生は、営業現場のデータを分析し顧客との信頼関係構築のためのプロセスを明らかにしています。相手と良好な関係を築くにはどのようなコミュニケーションスキルが必要なのか。わかりやすい説明とはどういった要素や構造を持つのか。相手を納得させるには、何が決め手になっているのか。こうした仕組みを学ぶことで、将来自身のコミュニケーションのスタイルを分析し、改善していく能力を身につけることを目指しています。

ゼミ/卒業研究の紹介

「国際社会を生き抜くコミュニケーションとは」をテーマにしています。会話分析を手法として立場の異なる人々がいかに円滑にコミュニケーションをとることができるのか。そんな問いに興味を持った学生が集まり、それぞれの関心にそって異文化、ビジネスやサービス、教育、医療などさまざまな現場での課題をコミュニケーションの側面から解決できるような研究を目指しています。実際に現場に撮影に伺ってフィールドワークをしながらデータを収集し、会話分析を使って分析を進めるのは地道な作業ですが、直接社会の現場と触れ合いながら研究を進めることができます。また会話の細かな部分に着目することで、自身のコミュニケーション能力の研鑽にもつながっているようです。

プロフィール

大学ではゼミ以外ほとんどall Englishの授業を担当しているので学生から「先生、何人?」と聞かれることがありますが、高校まで奈良で過ごしました。20代、30代前半をアメリカの大学、大学院で10年以上過ごしたせいか、どうも日本人らしく振る舞うことが苦手かもしれないです。最近は休日に実家のある奈良で田んぼの草刈りをしたり、散歩したり自然に親しんだ時間を過ごすことが癒しです。目下の課題はイノシシ対策・・・夢は実家にピザ窯と薪ストーブを導入して晴耕雨読の生活を送ることですが、現実はほど遠く日々目の前のことに追われています。趣味は本格的でないランニングとアメリカで食べたお菓子を思い出しながら作ることです。

高校生へのメッセージ

ここだけの話、高校時代は勉強が嫌いでした!でも大学で英語を学び始めて留学先で社会学に出会い「社会って何?」と考え始めたら急に「勉強」が面白くなりました。今まで当たり前だと思っていたことを少しだけ視点を変えて考えてみたり、「なぜそうなってるんだろう?」と疑問を持ってみたり。いわゆる「知的好奇心」を持つと世界は結構面白いものに映るかもしれません。どこかの誰かやAIにおすすめされる情報だけじゃなくて、自分で体験して人と関わる機会をたくさん増やすことで、あなたの世界をもっともっと広げてみてくださいね!