鈴木 康久

SUZUKI MICHIHISA
現代社会学部 現代社会学科 教授
学位
博士(農学)
専門分野
地域環境工学、歴史地理学、公共政策

研究テーマ

河川・名水の文化的特性の役割・価値に関する研究

高校生に向けた研究内容の紹介

「千年の都・京都」を流れる河川の歴史的変遷や行祭事、治水、利水、水運などの文化的特性が地域の文化や景観に与えてきた影響について研究し、河川の価値につて明らかにすることに取り組んでいます。もう一つのテーマが京都名水(400ヶ所以上)に関する伝承等を調べ、名水が地域に果たしてきた役割を示すことです。
河川・名水を通して生命の源である水と地域特性の関係を明らかにしたいと考えています。

地域社会の活性化につなげる河川・名水の文化的特性の研究

観光、伝統、治水、交通など、河川が持つ役割はさまざま。それらと地域社会との関わりを探り、地域活性化につなげるゼミです。
例えば、京都市内の橋の中でも、特に歴史のある三条大橋のプロジェクト。完成当時の欄干がいまだに使われていたり、過去の刀傷が残っていたり、あまり知られていないですが、実は文化的価値の高い橋です。
この橋の魅力を広く伝えるため、ゼミでは京都市役所とタッグを組み、橋への理解や修復のための寄付に向けた活動を展開。その中で開催したのが、三条大橋の写生大会です。「優秀作品はポスターに採用」という賞を設けたことで、多くの参加者が集まり、橋の細部に目を向けてもらうことができ、三条大橋の魅力を伝える機会となりました。

ゼミナール/研究室のテーマ

京都らしい地域づくり

学生時代を過ごす「京都」に着目し、これからの京都の進むべき方向性について議論を深め、現地現場に赴いて社会に役立つ「ゼミ活動」を展開します。具体的には、「三条大橋」「久御山町」などの魅力を発信するために、将来の理想像を踏まえた上で、市町村などと連携する中で現実的な提案や事業にチームで取り組みます。

ゼミ/卒業研究の紹介

学生時代を過ごす「京都」に着目し、これからの京都(府内含む)の進むべき方向性について議論を深め、現地現場に赴き社会に役立つ「ゼミ活動」を展開しています。 
これまでに「三条大橋」「錦の水」「鴨川デルタ」「京都丹波のあゆ」「久御山町のラーメンと肉、野菜」などの魅力を発信するために、将来の理想像を踏まえた上で、京都府・市町村等と協働する中で現実的な提案や事業にチームで取り組み、その成果は冊子やHPで伝える他、新聞・TVなどのメディアでも紹介されています。

プロフィール

京都府舞鶴市生まれ、地元の京都府庁に勤務後、京都産業大学に赴任しました。水文化に興味を持った理由は、大学院で水文学を学んだことと、2003年に京都で開催された「第3回世界水フォーラム」を契機に、カッパ研究会等を設立運営し、京都の水文化の面白さに気が付いたからです。現在は、『京都の山と川』(中公新書)などの出版やブラタモリ・京の水ものがたりなどの番組に出演。水資源・環境学会から学会賞を頂くなど、楽しく河川や名水に関する研究を進めています。

高校生へのメッセージ

願うことは叶う。その想いを伝える。でも、自分自身がないと伝えることができない。なので、学生時代を過ごす京都について語れるようになって欲しいと願っています。ここでいう「京都を語る」は、京都本のガイド的な知識ではなく、京都が世界に誇れる文化を育むことができた理由を説明できることです。世界水準で活躍するには、どこの国で暮らしても、自分自身の事や住む町を語れることが大切です。そのためにも共に学ぶ仲間と一緒に「語る力」を身につけましょう。