
滋野 浩毅
SHIGENO HIROKI
現代社会学部 現代社会学科 教授
- 学位
- 博士(文化政策学)
- 専門分野
- 地域社会学、地域政策、文化政策、まちづくり
研究テーマ
縮小社会における地域づくり
高校生に向けた研究内容の紹介
本格的な人口減少時代を迎えたわが国の地域において、自立・自律した地域づくりを進めていくためには、どのようなことが求められるのか、何をすれば良いのかといったことを、さまざまな視点やアプローチで実践・研究しています。これからのコミュニティのあり方とは、衰退した産業の再生や新しい仕事おこしとは、そこに住む人が文化的な暮らしを営んでいくためには、住民自治をいかに根付かせていくか…こうした先進事例のない課題に、「当事者」である日本の研究者・現場実践者が取り組む役割や責任は大きいと考えています。
ゼミナール/研究室のテーマ
京都府北部活性化のための地域との協働によるコトおこしの実践
人口減少、過疎化・高齢化など、日本の地域社会の多くが直面する地域課題に対し、地域はどんな将来像を描き、どんなことに取り組んでいけばよいのか。このプロジェクト演習では、本学と包括連携協定を締結している京都府綾部市を中心に、地域の現場に入り、地域の人と協働しながら課題解決に向けた取り組みを行います。
ゼミ/卒業研究の紹介
京都府北部に位置する綾部市が主なフィールドです。ゼミでは、①現場に入り、②地域の声に耳を傾け、③地域の方と協働で取り組むというポリシーで、事業を立ち上げ、取り組んだり、その成果をまとめ、発表したりしています。
ゼミに所属して最初に行うことは「集落の紹介冊子」づくり。地域に入り、インタビューを行ったり、集落を歩いたりする中で、地域の人たちが伝えたいことや、地域の人たちが気づいていない魅力を集め、小冊子にまとめます。
また、毎年夏休みには、全国の「地域」をフィールドとする他大学のゼミと合同で合宿を行い、他の地域の課題やその解決に向けた取り組みを学びながら、全国の学生間の交流を深めていきます。
プロフィール
大学卒業後、京都の地場産業の企業に就職するも、そこで気づいた産業の問題、地域の問題を何とかしたいと考え、大学院の門をたたき、研究の道へ。その間、研究を続けながら、まちづくり活動やNPOの立ち上げや運営等にも関わり、以降、教員になった今日に至るまで一貫して、地域の「現場」とともに研究、教育、社会活動に取り組んできました。
企業、行政、NPO、そして大学と産官学民すべてのセクターでの仕事の経験を活かし、セクターを越えた協働によるこれからの地域づくり、大学と地域の連繋にも取り組んでいます。
フルマラソン(ベストタイム3時間15分台)、トレイルラン(「あやべ水源の里トレイルラン」50㎞過去2回完走)をこなす「走る大学教授」。まち歩き、集落散策も好きです。
高校生へのメッセージ
インターネットがあれば、世界中どこの国や地域のことでも知ることができる時代になりました。また近年のAIの進化には目覚ましいものがあります。でも、そこで感じ取れる雰囲気や人々の思い、様々な関係性、さらには全体像といったことは「現場」でしか得ることはできません。さらには、思いがけない発見もあります。皆さんには、学生時代にぜひ「現場」に出て、そこに何があるか、何が起こっているのか、何が課題なのかといったことをしっかり見てほしいと思います。
また「現場」で得られた成果をより深く考察するためには知識の習得も大事。「現場実践」と「読み書き」両方のチカラを身につけましょう。