寺崎 友芳

TERASAKI TOMOYOSHI
経済学部 経済学科 教授
学位
博士(経済学)
専門分野
都市経済学、地域経済学

研究テーマ

都市構造分析、地域間人口移動の分析、金融工学と地域活性化

高校生に向けた研究内容の紹介

人口分布や事業所分布など都市構造の変化と要因、地域間人口移動を主な研究対象にしています。最近は、金融工学のリアルオプション理論を用いて地域資源を有効活用して地域を活性化する手法について研究するとともに、全国の地方都市を訪れて成功事例、失敗事例をフィールド調査しています。また、投資やイベントの地域への経済波及効果、交通需要予測、観光需要予測について手法の改善に取り組んでいます。

ゼミナール/研究室のテーマ

都市と地域の経済分析

都市経済学のテキストを輪読形式で学習し、住宅、交通、環境などの都市問題について、経済学の手法を用いて分析する基礎を学んでいます。また、人口減少、中心市街地問題、観光振興といった現代日本の都市が直面する課題についても議論を行います。

ゼミ/卒業研究の紹介

ゼミでは「都市と地域の経済分析」をテーマに、最近の文献を輪読形式で学習し、都市問題、街づくり、都市交通、地域活性化、観光振興などの課題について経済学の視点から課題発掘と課題解決策について学びます。また、特徴的な街づくりをしている自治体を往訪し、市役所職員や地場企業にインタビューを行い、様々な取り組みを体験するフィールドワークも取り入れています。ゼミでの学びを通じて地域の「強み」と「弱み」について論理的に分析し、エビデンスに基づいた説得力のある提案をできるようになることを目標としています。

プロフィール

大学卒業後、政府系の日本政策投資銀行で審査、経済調査、地域支援などに携わってきましたが、常に地域や都市という切り口で経済や企業を分析してきました。在職中に学位を取得し、2013年に現職に就きました。以前は「街の変化」に注目していましたが、京都に住んでから「変わらない街」も面白いと気付きました。趣味は、街巡りで、これまで1000以上の市町村を訪れました。

高校生へのメッセージ

4年間は長いようであっという間に過ぎ去ります。その短い学生生活では、目標を持ってチャレンジしてみてください。目標は実現することよりもプロセスが大切です。目標の設定は妥当か?それを実現するためにいつ何をすべきか?どの程度努力すれば良いのか?調べて、考えて、議論してください。そうしたプロセスは、結果の如何を問わず、今後の人生に役立ちます。そして、オフの時は、思いっきり遊んでください。折角、京都という世界でも有数の歴史ある街で学生生活を送るのですから、京の街を探索してみるのも一興かと思います。

都市と地域の経済分析-地域の課題を分析する力と、
解決策を提案する力を身に付ける

京都の台所・錦市場でフィールドワーク。地域の「定番」となる品にはさまざまな物語がある。

「地方創生」や「地域活性化」をテーマとして、日本の地域や都市が抱える問題について、経済学を使って分析し、課題を見つけていきます。自身の出身地について調査を進める学生も多く、毎年春にゼミ内で開かれる「街歩き報告」では、それぞれが調査を行ってきた地域・地元ならではの取り組みが発表されます。
こうした学びの中で、Uターン就職を志すようになる学生も少なくありません。

Column先輩の声

経済学科 4年次 山崎 寛斗さん

ゼミでは「地域」をテーマに、各自が関心を持つものを掘り下げていきます。僕は地元である福井県をどう盛り上げていくかを調べ、実際に行政のツアーに参加した体験などをゼミで報告してきました。卒業論文は「地域活性化には“関係人口”といわれる、地域と多様なかかわりをする人たちへの働きかけが重要」というテーマで執筆。学びを深める中で自然と公務員への道を志すようになりました。内定先となった福井県庁でも、この「関係人口へのアプローチ」を切り口に、地元を盛り上げていきたいと思います。

※掲載内容は取材当時のものです。

Column先輩の声

経済学科 4年次 佐々岡 美帆さん

もともと公務員を目指していたため、地域経済学を学びたいと思い寺崎ゼミを選びました。フィールドワークなど活発な学びが多いゼミで、特に4年次に取り組んだ「街歩き報告」という発表会では、他のゼミ生たちの発表を聞くことでそれぞれの地元の活動について知ることができ、刺激を受けました。卒業論文では私の地元である島根県山間部の伝統芸能について執筆しました。卒業後は島根県に関わる仕事に就くことになりましたが、ここで学んだ多様な地域活性化の施策は、将来の仕事のヒントになると思います。

※掲載内容は取材当時のものです。