
研究テーマ
世界経済史
高校生に向けた研究内容の紹介
世界史を大きく変えた事象として、大航海時代以降のヨーロッパの拡大があります。それ以前の帝国の拡大とは異なり、ヨーロッパは、遠く離れた地域に植民地をもちました。その影響は現在に至るも極めて大きく、現代社会を理解する上でも大切なことです。ヨーロッパからアメリカに覇権が移ってもそのシステムは維持されてきたわけですが、現代社会ではどう変わるのでしょうか。それが、私の最大の関心事です。
ゼミナール/研究室のテーマ
「貧困」の発見
日本から「貧困」はなくなったとされていました。しかし、所得格差が広がり、非正規雇用が増え、じつは日本から「貧困」がなくなってはいなかったことがわかってきました。生活保護を受ける人も増えている。そのような貧困の広がりのなかで、釜ヶ崎にみられる「貧困」を出発点として、日本、さらには世界にどのような「貧困」問題があるのかを考えていきます。
ゼミ/卒業研究の紹介
ゼミでは、「貧困の発見」を中心に研究しています。日本は豊かな国になり、貧困はなくなったと思われていましたが、現実にはとくに大阪のあいりん地区と言われる地区で、野宿者がおり、世界一結核感染率が高い地域でもあります。ゼミでは、まずあいりん地区との労働者の実態を研究し、その後、日本や世界の貧困について学習することにしています。そうすることで、日本にも貧困がまだあり、世界の先進国にもそれは当てはまることを理解してもういます。
プロフィール
生まれは大阪のど真ん中です。しかし、あまり大阪弁は使いません。学生時代は文学部で経済史をし、大学院も文学研究科で経済史を研究しました。どういうわけか分かりませんが、バルト海貿易を研究するようになり、この分野で博士論文を執筆しました。それからまた研究を進め、生産ではなく流通、とりわけ世界の物流の発展に研究をシフトさせました。物流こそ経済を動かすという気持ちになって、現在、研究を進めています。
高校生へのメッセージ
大学では、好きなことを勉強してください。しかし、授業もちゃんと聞くということを忘れないようにしてください。どんな本を読むより、教員がわかりやすく学生に話す内容の方が記憶に残るのです。大学では、学問の基礎を学びます。しかしそれにとどまらず、学問的な考え方はどういうものかをしっかりと学習するようにしてください。それは、単にいいい点数をとということにとどまらず、社会に出てからの基礎力を養うのに最良の方法です。