関田 静香

SEKITA SHIZUKA
経済学部 経済学科 教授
学位
博士(応用経済学)
専門分野
応用計量経済学

研究テーマ

個人金融

高校生に向けた研究内容の紹介

人生100年時代と言われる中、経済的に安心できる生活を営むために、金融リテラシーが重要ではないかと言われています。Adele Atkinson and Flore-Anne Messy (2012)によると、金融リテラシーとは「金融に関して適切な決定を行い、最終的に個人のファイナンシャル・ウェルビーイングを達成するために必要な意識、知識、スキル、態度、行動の組み合わせ(関田訳)」です。金融リテラシーの決定要因や家計行動への影響・効果的な金融教育について研究しています。

ゼミナール/研究室のテーマ

日本経済の観察と分析

日本経済におけるさまざまな問題に関する解決策を考えます。そのために、日本経済がどのような問題を抱えているのか客観的なデータから調べ、関連する先行研究を読み、解決策を考えるためにアンケート調査を実施したり、データを用いた分析を行ったりします。

ゼミ/卒業研究の紹介

ゼミではまず、経済成長、景気変動、労働市場、環境、財政、金融など、様々なトピックについて学習します。関連する新聞・雑誌記事の要約、感想や意見の共有を通して理解を深めます。基礎を固めた後は、ゼミ修了論文を執筆していきます。各学生が特に興味のあるテーマを決め、既存の学術論文を参考に、仮説を立て、データを用いて検証し、政策提言につなげます。また、大会などの準備を通じてプレゼンテーション能力も鍛えます。

プロフィール

鹿児島県の奄美大島で生まれ育ちました。地元の銀行員になりましたが、実証研究に興味を持つようになり、銀行員をやめ、大学院に入りました。博士号取得後、様々な場所で研究をし、2011年から本学に勤めています。休日は子供と遊ぶことが多く、特に最近は釣り堀で釣果を競うのが楽しみです。

高校生へのメッセージ

金融庁が示した「最低限身に付けるべき金融リテラシー」に「生活設計」という分野があります。自分の夢や希望を実現するため、ライフプランを立てたり、そのために必要な資金を、労働所得、貯蓄・運用、借入などにより計画的に準備していったりすることが重要だと言えます。高校生の皆さんにも是非今から将来のことを考えて、豊かで安心できる生活を営むための準備をしてほしいなぁと願っています(参考URL  https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/e-learning/lec_05.html)。

日本経済の観察と分析-基礎的な経済理論とデータに基づいて経済を楽しく学ぶ

関田ゼミでは、2年次と3年次前半に、基礎的な経済理論を用いながら日本経済のさまざまなトピックについて読み解いていきます。また、学修した内容と関連する新聞記事についての要約を考えたり、過去の経済状況について家族や知人にインタビューをしたりします。そして、3年次後半からは、自分が研究したいテーマについての論文を書いていきます。3年次前半までに修得した知識を用いて、仮説を立て、データを用いて検証し、その結果に基づき政策提言をします。4年次になると「京都から発信する政策研究交流大会」や「WEST論文研究発表会」などの大会への参加準備をし、卒業前にはゼミ修了論文報告会を行います。

このようなゼミ活動を通じて身に付けられる能力は少なくとも5つ考えられます。1つ目は、「経済理論」を用いて物事を考えられるようになることです。関田ゼミでは非常に多くのトピックを扱いますので、それぞれについて高度な経済理論を用いることは不可能ですが、基礎的な経済理論を土台に経済事象について考えることができるようになります。2つ目は、毎回の課題を通して、「新聞」を読むことが習慣となり、経済情勢にアンテナを張ることができるようになることです。3つ目は、「データ収集・分析能力」です。信頼性のある客観的なデータを収集し、それを用いて分析することで、建設的な議論をすることができます。これは、データサイエンスに通じる学びと言えます。4つ目は「学術論文の読み書き」です。自分の研究テーマに関連する多くの先行研究を読み、自分の論文を何度も推敲することからこのような能力を得ることができます。5つ目は「プレゼンテーション能力」です。大会や報告会に向けて、自分の論文を聞き手に効果的に伝えるためにスライドや話し方を工夫します。

皆さんは大学卒業後、社会人になった時に、さまざまな課題に直面すると思います。関田ゼミで得られる5つの能力は強力な武器となり、皆さんの人生の助けとなるでしょう。