西村 佳子

NISHIMURA YOSHIKO
経済学部 経済学科 教授
学位
修士(経済学)
専門分野
金融論

研究テーマ

確定拠出年金に関する研究

高校生に向けた研究内容の紹介

少子高齢化の進展によって、私的年金の重要性が増しています。長い時間をかけて確定拠出年金で備えることは効果的な対策ですが、興味が持てない人への適切な対応、興味があっても知識がない人のための教育、そして大規模な私的年金システムに関わる金融機関が「加入者のために」私的年金システムを運営する、というガバナンスが働く仕組みが構築されているかといった課題があり、これらの問題についての研究を行っています。

ゼミナール/研究室のテーマ

日本の金融・資本市場

資金の調達側・投資家側の両者が金融・資本市場でどう行動するか、中央銀行はどのような役割を果たしているか、また、市場が市場として健全に機能するためにはどのような条件が必要なのかといった内容について、テキストや新聞記事などを利用して学びます。

ゼミ/卒業研究の紹介

ゼミでは株価と有価証券報告書などを材料に企業活動について学び、企業見学にも出かけます。今の3年生は、「M&A~企業価値を算出する~」「小売り・製薬・電器・不動産業界に関するキャッシュ・フロー分析」「日本の自動車メーカーのペイアウト戦略比較」など6つのテーマで学習・分析を行っており、グループごとに活発に活動しています。企業の経営状況等を理解できるようになって社会に出て欲しいと思っています。

プロフィール

三重県・高知県・山梨県・岡山県などで通学経験があります。山梨ではスケートの授業があり、富士山麓で鼻水と前髪が凍る夜間スケート実習(6日間)を受けました。約25年後、リドー運河で片道7.8キロをスケートで滑る小学生のサポーターとして伴走した時、始めて習ったことが役立ちました。何でも経験しておくものだと改めて思いしました。

高校生へのメッセージ

変化する社会で生きる私たちですから、身の回りに興味を持つだけの人は足をすくわれることがあるかもしれません。専門は深く学び、興味の幅は広げていければいいですね。

日本の金融・資本市場-BtoB企業への訪問を通じて、金融の本質を理解する

上場企業は、新規事業や事業規模の拡大のために株式市場を通じて資金を調達します。西村ゼミでは、そうした資金調達の重要性を知るために株価や財務データを分析するだけでなく、実際にBtoB企業を訪問するフィールドワークを行います。

ゼミ生は企業活動の全体像をデータで捉えるため、訪問の数カ月前から財務データ、株価、競合他社のデータなどを調査・分析し、事業の規模を数値として理解します。それでも実際に企業を訪れると、事前の想像をはるかに上回る工場の規模や高度な技術に圧倒されます。そして見学後に社員の方から、技術開発や製品化にかかった長い時間や開発費用、開発に注力したのに売れなかった製品の話、海外事業の難しさなどについて伺うと、事業のリスクの大きさを実感します。

このゼミでフィールドワークを重視する狙いは、株式市場が「企業の事業リスクを投資家が資金面から分担する場である」という気付きを得ることにあります。事業のリスクも高度な技術も、製品開発の成否も株価に反映されている、と気づくと、ただの数字が持つ多くの情報に興味がわくでしょう。こうして、データと現実の企業活動の両方を眺めながら行うゼミ活動で獲得する知識や物の見方は、就職活動での企業選びなど、社会で生きていくうえでゼミ生の力になるはずです。