
上元 亘
- 学位
- 博士(商学)
- 専門分野
- サービス・マーケティング、リレーションシップ・マーケティング
研究テーマ
高校生に向けた研究内容の紹介
サービスが提供され消費される場をサービス・エンカウンターといい、満足や再利用に影響を与える重要な局面と考えられています。そのサービス・エンカウンターにおいて、顧客はサービスの価値形成に重要な役割を担っており、例えば、セルフレジにてスムーズに商品のバーコードをスキャンし、迅速に袋詰めを行うことで効率的な店舗運営が実現できます。こういった研究の知見は、サービスの現場における非効率性を無くすことに貢献できます。
ガストロノミー※とツーリズムのマーケティング-企業や自治体とコラボしてマーケティングスキルを体得
近年の消費者は、旅行やグルメ、イベントといった「体験」を重視する傾向にあり、モノそのものの価値だけで商品を売ることが難しくなっています。そうした消費トレンドを踏まえ、学生たちには、商品の背景にある文化やストーリー、つくり手の思いをくみ取って、新たな商品価値をうみだす力を身に付けてもらいたいと考えています。
このゼミでは、企業や自治体とコラボレーションした実践的なマーケティングに取り組みます。学生たちは、私が紹介した企業や自治体で構想段階にある複数の企画から興味に応じて企画を選び、企業・自治体と連携しながら自分たちの力で企画を形にしていきます。テーマは、地域の食文化振興やアクティビティの企画が中心です。過去にはメディアで取り上げられるほど注目を集めたプロジェクトもありました。主体的に取り組むからこそ生まれる学生ならではのアイデアに、私が刺激を受けることも少なくありません。
学生たちに体感してほしいのは、マーケティングの学びを実践し、普段なら出会うことのない人々とビジネスをつくり上げる面白さです。周囲との協働や企画の実現を通じて、主体性や周囲を巻き込む力など、いかなる進路でも必ず役立つ力を身に付けてほしいです。
※ガストロノミー
地域ならではの食材や料理を、地理や歴史といった文化に着目し理解すること
Column先輩の声
マーケティングや商品化に必要なプロセスをリアルに経験
上元ゼミでは、学生が主人公です。やりたいことにチャレンジできる環境が整っていて、自分のアイデアが形になっていく楽しみを味わえます。先生との距離も近く、私たちが力を発揮できるよう惜しみなくサポートしてくださいます。
数ある企画の中で私が選んだのは、京都市大原で貸農園・飲食事業を営む「OHARA FARMY」のメニュー開発です。夏のイベントでの提供・販売を目指し、農場の野菜を使ったハンバーガーソース、野菜チップスの開発に取り組んでいます。毎月現地に出向いてスタッフの方と打ち合わせや試作を行い、学内でも次の試作に向けて課題を話し合うなど、学生主体で企画を進めています。どのような味付けや食感にすれば、農場や野菜の魅力を効果的に伝えられるか。原材料の選定から製造工程、盛り付けまで、農場のコンセプトも踏まえながらベストな形を模索しています。
私はもともと食品開発に興味があり、この企画を選びました。アイデアを商品化するプロセスを実践的に学んだことで、ますます食品開発の面白さに魅了され「自分の考えた商品を世に送り出したい」という夢もできました。何度も試作を重ねる中で鍛えられた粘り強さ、チームをまとめるリーダーシップは、将来マーケティングの仕事に就いてからも役立つはずです。
マネジメント学科 3年次
前川 幸大さん
※掲載内容は取材当時のものです。
ゼミナール/研究室のテーマ
価値共創のマーケティング
経済のサービス化や情報技術(IT)の発展により、モノやサービスの作り手と受け手の距離は、再び産業革命以前の社会のように近くなり、企業だけではなく消費者もマーケティング活動を通じて価値創造を行わなければならない時代を迎えています。そうしたこれからの時代に求められるマーケティングを学びます。
ゼミ/卒業研究の紹介
ゼミでは、サステナブルで魅力ある社会や企業経営を目的とし、マーケティングを中心とした基礎的な理論や知識をベースに、ガストロノミーとツーリズムに関する自治体・企業・ブランドとコラボしたマーケティングを行っています。テーマに関連する最先端かつ現場のマーケティング理論や思考を身に付けて社会に出た時に経済的・社会的課題の解決にすぐ取り組むことができます。ゼミ生は真面目にする時と遊ぶ時のメリハリがすごく、大変活き活きとしているのが特徴です。