
研究テーマ
日本経営史、渋沢栄一の企業者活動および社会貢献活動、新潟県を中心とする地域産業史
高校生に向けた研究内容の紹介
渋沢栄一(1840年~1931年)は、「日本資本主義の父」と称されるように、約500社の設立と経営に携わりました。また、社会貢献活動にも力を尽くし、教育・国際交流・福祉など約600の団体に関係しました。京都をはじめ関西との関わりも深く、京阪電気鉄道や京都ホテル、京都織物などに関わりました。2024年7月発行の新一万円札の肖像なども話題となっています。「論語と算盤」・「道徳経済合一」といった理念も含めて学ぶべきところ大です。
歴史的=長期的に日本の企業・ビジネスをみる-ビジネスで地方を盛り上げる人材を育成
長期的な視点で企業や経営者について研究するゼミです。学びの軸は経営、歴史、そして地域。グローバル化が進む現代において、あえてローカルに目を向け、特に地域の産業や企業について研究していきます。
地域産業・企業は、小規模でありながらも、ビジネスの内容にさまざまな創意工夫があり、非常に面白い取り組みをしています。さらに、構想を実践に移しやすいというメリットも。
現在ゼミでは、新潟に本社を置く「雪国まいたけ」の協力の下、学生が商品のブランディングやレシピ開発に関わる実践的な学びに挑戦しています。この取り組みの先には、新潟と京都を結ぶ新しいビジネスの展開も期待されます。今後は本学のある京都も視野に入れ、地域に根ざしたビジネスを体験できる場を拡大していく予定です。
それらの活動を通じて目指すのは、地域のビジネスを支える人材の育成です。そういった人材や企業が自発的に地域を盛り上げることで、行政とは違ったアプローチで地方の活性化に貢献することが可能に。ローカル企業の歴史なども学びながら、将来、地方の発展を支えるための知識と経験を身に付けます。
ゼミナール/研究室のテーマ
歴史的=長期的に日本の企業・ビジネスをみる
日本を代表する企業・ビジネスの成長および進化について、起業構想や戦略、組織・マネジメント、製品ないし商品とサービスの開発、販売・マーケティング、資金調達などの経営の諸側面の発展のダイナミズムとともに、革新的な企業家・経営者の諸活動および理念ないし哲学などを、具体的なケースに即して振り返ります。
ゼミ/卒業研究の紹介
松本ゼミナールでは、日本を代表する企業の設立および発展・成長のプロセスを、長期的=歴史的な視点に立って学んでいます。企業・銀行や博物館などの見学・調査も重視しています。これまでに、合宿研修を新潟県長岡市・新潟市、フィールドワークを京都府綾部市(グンゼや日東精工の発祥地)、大阪企業家ミュージアム(大阪市中央区)、月桂冠大倉記念館(京都市伏見区)、インターンシップをゆきぐに信用組合(新潟県南魚沼市)でおこないました。
プロフィール
1970年東京都上野生まれ。1999年明治大学大学院経営学研究科博士後期課程中途退学。同年長岡短期大学(新潟県長岡市)専任講師、2012年長岡大学教授。2019年に北陸トンネルを越えて、人生初の京都暮らし・勤めを開始。明治大学大学院兼任講師、株式会社第四北越フィナンシャルグループ社外取締役(監査等委員)、新潟日報読者・紙面委員、東山油田(史跡・産業遺産)保存会長を兼務。趣味は東京ヤクルトスワローズの応援(約40年)と落語。
高校生へのメッセージ
渋沢栄一がかつて若者に発したメッセージの1つに次のようなものがあります。「人間は磁石のようなものだ。能力があり人格が立派であれば、磁石が鉄を吸い付けるように、仕事や地位を吸収しうる。」4年間の大学生活で、学内外にて、幅広くかつ深く学ぶとともに、様々な経験を重ねて、能力を高め、人格を磨いていってください。いくらでも稽古つけます!むすびに、不肖まつかずも一言述べます。「勉強は楽しく、遊びは真面目に。」