教育研究上の目的と3つのポリシー(アントレプレナーシップ学環)

教育研究上の目的

自らのアイデアを実現するための知識、スキル、自己変革力を有し、広く社会や先端の技術に目を向け、多様な人々の共感と協力を得ながら、社会の発展に向けて新しい事業の創出や革新へ、起業家精神(アントレプレナーシップ)をもって果敢に行動していくことのできる人材の育成を目的とする。

ディプロマ・ポリシー

本学環が定めるカリキュラム(教育課程)により、以下の5つの学修目標を達成し、卒業要件を満たした者に、卒業の認定及び「学士(ビジネス)」の学位を授与する。

DP1:世界観を広げ、自らの見解を確立できる。

社会課題や先端技術、ビジネスの動向に幅広く関心を持ち、これから起こり得る社会の変化や潜在するニーズをとらえ、事業創出・革新の原点となる自らの見解を確立するための情報収集力、分析力を有する。

DP2:アイデア・構想を事業計画化し、他者に提示できる。

自らのアイデア・構想を、現実性のある事業として構築するために必要な専門知識と理論を有する。また、事業の実現に向けて、他者から共感と協力を得ていくための提案力を有する。

DP3:実証的企画を試行し、構想・計画を精緻化できる。

構想や事業計画の精緻化に向けて、実証的企画を試行して目標と現状との乖離を分析のうえ問題点・改善点を明らかにし、改良・深化していくための実践力、論理的・創造的・戦略的思考力を有する。

DP4:目標に向けて、自律的に事業を進めることができる。

協力者と目標や展望を共有し、協働しながら自らの事業を着実に進行できる計画性・実行力を有する。また、社会の発展に向けて、当事者意識、倫理観をもって事業を展開していくための自律性を有する。

DP5:起業家精神をもって、挑戦し続けることができる。

事業創出・革新に向けて、困難を克服してやり遂げる起業家精神(アントレプレナーシップ)、主体性を有する。また、状況の変化に事業や自らを対応させていくための柔軟性、自己変革力を有する。

カリキュラム・ポリシー

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げる5つの学修目標を達成するための教育課程として、幅広い教養及び基礎的な語学力を身に付ける『共通教育科目』と、学部等連係課程の特色を活かした『専門教育科目』により、体系的・順次的に編成する。
教育課程を常に最適な状態に維持するため、専門教育科目の各年次に置く主要授業科目を中心に、学生の学修・活動等の状況を把握し、それを定期的・組織的に点検・評価して、必要な改善を行う。

①教育内容・方法
『共通教育科目』

共通教育科目は、人文科学、社会科学、自然科学など多岐にわたる『人間科学教育科目』、英語及びその他の外国語を学ぶ『言語教育科目』、将来の進路に向けての実践的な能力の獲得と働くことに対する意識づけをサポートする『キャリア形成支援教育科目』、健康・スポーツについて学ぶ『体育教育科目』により体系的に編成する。
本学環では、Society 5.0時代の素養ともなる、数理・データサイエンス・AIに関するリテラシーレベルの知識を修得するための授業科目である「データ・AIと社会」は必修とする。また、学生の世界観を広げるために、『人間科学教育科目』における人文科学、社会科学の領域にある授業科目及び『言語教育科目』における『英語教育科目』に最低修得単位数を定め、加えて、起業だけでない豊かなキャリア観を涵養するために、『キャリア形成支援教育科目』にも最低修得単位数を定めて、1年次から学修を進めていく。

『専門教育科目』

学部等連係課程の特色により、学生が各自の事業構想や将来的な展望に応じた学修が幅広く展開できるように選択の機会は確保しながらも、体系的に学修が進むように、専門教育科目は『基盤科目』『展開科目』『演習科目』の科目区分を設けて編成する。また、順次的に学修が進むよう、基盤的な専門知識・技能の学修に対応する科目を低学年次に、試行・実践のための科目を高学年次に主として配置する。

『基盤科目』

『アントレプレナーシップ』『ビジネス探索』『ビジネスデザイン』の科目区分を設けて編成する。
『アントレプレナーシップ』科目で、アントレプレナーシップやイノベーションの考え方、事業創出・革新のための基礎的な知識、交渉力・プレゼンテーションの技能を1年次に学修する。
『ビジネス探索』科目で、社会における諸問題や現代ビジネスの課題、最近のビジネスの動向、海外のビジネス事例等に触れ、関心を拡大する。これからの社会における事業を構想するにあたっては、次々と登場する科学技術やそれを基にしたビジネス・サービス、新たな課題等に広く関心を持ち、常に探索できる技能を持っておくことが必要であるため、「科学技術と未来社会」を1年次に学修する。
『ビジネスデザイン』科目には、新しい製品、ビジネス、サービスの創出や、既存のビジネスモデルの転換のためのアイデア・発想を具体化していくにあたり必要となる観点や、試行・実践するための専門知識・技能を学修する授業科目を置き、各自の事業構想に応じて学修する。
主として講義形式で実施するが、教員と学生、学生同士による双方向型のアクティブ・ラーニングを効果的に取り入れて実施する。

『展開科目』

『経営学領域』『法学領域』『現代社会学領域』の科目区分を設けて編成する。
『セルフ・カルチベーション』科目における教員からの履修指導・アドバイスも基にして、学生が各自の事業構想に応じた学修を2年次から展開する。
主として講義形式で実施する。

『演習科目』

『演習』『セルフ・カルチベーション』の科目区分を設けて編成する。
『演習』科目は、演習形式により、1年次に本学環の学修目標や教育課程を理解し、情報収集の方法や考えを言語化するための基礎的な知識・技能を学修する。2年次には試行的計画を立てて実際に行ってみる。3年次には事業計画・起業計画の立案と発表を行う。これらにより、事業創出・革新に必要となる専門知識・技能、計画性や倫理観等を段階的に学修する。
セルフ・カルチベーションとは、「自己開拓」を意味する。実践型の演習科目として、教員の指導・伴走を受けながら、学生が自らの見解・仮説に基づいて企画・目標を立てて、それを個人あるいはチームを組んで現実社会において試行・実践する。その結果を振り返って自らの成長・不足を実感し、他者との意見交換から新たな視点を得て、さらに事業構想の深化に向けた学修や行動を主体的に展開していく。学修と実践とを往還する中で、アントレプレナーシップや行動力、学び続ける姿勢を身に付ける。『セルフ・カルチベーション』科目は『基盤科目』『演習科目』における1年次の学修が基盤となるため、2年次からの配当とする。

②学修成果の評価

授業科目における学修成果の評価は、シラバスに定める成績評価方法により行う。具体的には期末に行う筆記試験、レポート試験、クラス内発表の内容、提出物など、各授業科目の特性に応じた方法により厳格に行う。

アドミッション・ポリシー

「社会の発展のために自らの解を探究し、事業を起こすこと、あるいは事業を革新していくことに強い関心を有し、その実現に向けて、他者の協力を得ながら挑戦する姿勢を持つ人材」を求める。
本学環が受け入れる学生に求める資質・能力を以下のとおり具体的に定め、入学者選抜を実施する。

①知識・技能
  1. 社会の変化や課題に広く関心を持ち、理解するための基礎的知識・技能
②思考力・判断力・表現力
  1. 論理的に情報を整理し、自らの考えをまとめる思考力
  2. 自らを客観視して、改善・深化すべき点を見定める判断力
  3. 他者に向けて自分の考えや計画を伝える表現力
③主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度
  1. 他者の協力を得ながら、自ら行動する主体性
  2. 困難や失敗に際しても、挑戦する姿勢
④未来志向
  1. より良い社会を実現することへの関心
  2. 事業を起こすことや、事業を継承・発展させていくことへの関心
  3. 自分自身の将来像を描く力
具体的には、

未来に強い関心があり、多様な人から刺激を受けて、行動していきたい人

社会の諸課題に関心があり、その解決に向けて、行動していきたい人

具体的なビジネスのアイデアを持ち、その実現のための学びを進め、行動してきたい人

家業継承にあたり、新しい事業の可能性を探索して、行動していきたい人