先輩の学び(4つの専門コース制)
現代経済コース
普段の授業が公務員試験の対策に有効。
少子高齢化や社会保障など、社会が抱えるさまざまな課題を経済学の視点で読み解くのが現代経済コースです。私は公務員志望なので、家計から地域、国家まで経済を幅広く学べるこのコースに魅力を感じました。
特に興味深かったのは「財政学」。この授業では国が扱うお金について学びます。たとえば私たちが買い物をしたときに支払った消費税はどのように使われているのか。納めている先は都道府県や国など細かく分かれ、医療や子育てといった社会保障の財源にもなっていることを知りました。いずれ社会に出れば、所得税や住民税など自分が関わる税金も増えます。そういった意味でも、学生のうちにしっかりと財政の仕組みを学んでみたいと思うようになりました。
さらに公務員志望の学生にとってメリットになるのは、授業内容がそのまま公務員試験の対策になることです。今は公務員を目指しつつ、金融系の企業も視野に入れて就職活動中。将来に直結するだけでなく、私にとっては選択肢を増やすきっかけにもなったコースです。
経済学科 3年次
伊藤 優希さん
※掲載内容は取材当時のものです。
将来に役立つ
金融の知識が身に付いた。
少子高齢化や社会保障など、現代社会が抱えるさまざまな課題を経済学の視点で学ぶのが現代経済コースです。
私が特に興味を持ったテーマは金融です。低金利が続く昨今の世の中では、銀行に預けるだけでお金が増えることはありません。人生100年時代といわれる今、どんなふうにお金をやりくりして生きていけばいいのか? そんな疑問からのぞいた金融の世界にどんどんハマっていきました。
金融に関するゼミでは、お金の流れから企業活動を読み解く学びにチャレンジ。具体的には、経営成績や財務状態を表す財務諸表から、その企業がどんな事業に注力しているか、どうやって資金を調達しているかなどを調べます。3年次になると複数の企業の財務諸表を比較して分析を行うなど、より実践的な学びに発展。数字からリアルな企業の姿を見ることができるのも、経済学を学ぶ面白さの一つです。
金融と一言で言っても、税金や年金、投資、デジタル通貨など多岐に渡ります。高校までの学びではほとんど触れてこなかった分野ですが、改めて考えてみると生活するうえで一番身近なもの。経済を知るうえでも欠かせないものです。就職活動を終えた今、私は実際に投資信託を始めました。将来の自分にとって役立つ知識が増えるのも、このコースの魅力だと思います。
経済学科 4年次
高岡 颯さん
※掲載内容は取材当時のものです。
税制度や社会保障といった 誰にとっても有用な知識が得られます。
日本の財政の基本的な概要から、公的支出の内容、租税制度、年金・公的医療保険制度など、財政に関する現状と課題をわかりやすく学べるコースです。さまざまな経済状態にある人々を総体的に捉えることは公共政策には欠かせない知識です。このコースでは、国の財政だけではなく、地方財政制度についても理解が深まり、年金などの社会保障制度や税制度といった誰にとっても有用な知識を修得できます。
経済学科卒
田口 智大さん
※掲載内容は取材当時のものです。
ビジネス経済コース
数字で世界の動きを「読む」面白さ。
ビジネス経済コースは、世界の株やマーケットの動向に焦点をあてた学びが特長です。たとえば「ファイナンス論」という授業では、株価の変動や企業がどのように資金を調達するのかに注目します。
株価や金利の動向を読み解いていくと、世界中のさまざまなニュースとつながっていることが分かります。株価が暴落している原因が新型コロナウイルスの変異株の発生にあったり、アメリカの株価が急上昇した裏に大統領のとある発言があったり。つまり、株価の変動は、今世の中で起きていることから説明がつく。それが面白くて、世界についてもっと知りたいという興味が湧いてくるようになりました。
金融は全ての経済活動を支える根幹です。一番身近にありながら大学に入るまであまり触れる機会のなかった分野ですが、経済を知るうえで欠かせないもの。今はゼミも金融論を選択し、コースの学びと並行してさらに知識を深めているところです。将来は金融系の道に進みたいという目標も見えてきました。
経済学科 3年次
佐山 菜穂さん
※掲載内容は取材当時のものです。
尖った技術や創意工夫で生き残る
中小企業に惹かれた。
主に企業の経済活動にフォーカスして学ぶのがビジネス経済コースです。例えば「中小企業論」という授業では、中小企業の歴史的な成り立ちから、各産業における役割、そして特長的な事例まで幅広く学びます。
特に惹かれたのは、たとえ規模は小さくても一つの技術にこだわり、創意工夫で存在感を示す企業です。例えば京都の八ッ橋の老舗では、昔ながらの商品はそのまま受け継ぎつつ、時代にあわせた新商品を開発するなど、常に時代のニーズにあわせた商品展開をしています。
全国展開するような大きな企業ではないですが、そういった試行錯誤を繰り返して何百年という長い年月を生き抜いている。普段スポットライトが当たらない企業こそが地域経済を支え、さらには国家経済にも貢献しているのだと感じました。
中小企業は、規模がコンパクトなので組織の仕組みや財政を理解しやすく、企業を研究するうえで有効なモデルケースになります。2年次から始まるゼミでは、中小企業を掘り下げる学びに本腰を入れ、企業を訪問する実践的な学びにも挑戦しました。
M&A(合併・買収)や共同開発など、リアルな組織の取り組みに触れることで、これまで座学で学んできた知識が一層深まっていく実感がありました。
将来は中小を含めた多くの企業に関わりたいと金融の道へ。振り返ってみると、2年次のコース選びは人生の転機になったともいえる選択でした。
経済学科 4年次
杉本 正嗣さん
※掲載内容は取材当時のものです。
企業を見る目を養うと日本の経済の明日が見えてきます。
企業活動に焦点をあてて学ぶコースです。専門教育科目ではさまざまな観点から企業を見て、経済的視点を磨きます。所属ゼミでは、地域の財政や産業などの課題解決を研究。それぞれ関心のある地域を選んで考察するため、私は生まれ育った「京都」を対象に、地元企業を調査し京都経済の現状や財務状況について研究しました。自分の住む町を、今までと全く違った角度から見ることができ、企業を見る目を養うことは、日本経済や社会の動きを理解することだと気づきました。そうした大きな視点で企業活動を捉えることができれば、社会に出てからも、日本経済のビジョンを見る力として活かされるはずです。
経済学科卒
川村 菜緒さん
※掲載内容は取材当時のものです。
地域経済コース
多様なフィールドワークを通して地域活性化につながる手立てを考える。
私が地域経済コースを選んだ理由は、生まれ育った徳島県の地域活性化に貢献したいと思ったからです。このコースでは、地域社会が抱える課題に対して多様な視点から解決する方法を探ります。特に印象深いのは、フィールドワークです。実践的に地域課題とその解決策を学べる機会を得られます。
兵庫県たつの市を舞台とする「地域活性化フィールドワークⅠ」の授業では、SNSを使った市の情報発信に関する具体的な方法、特に、誰にどのようなSNSを使って何の情報を発信していただくと有効、かつ効率的かについてグループで検討しました。また、近隣の都市とのデータを比較する中で、人口減少や少子高齢化という共通の課題であっても、各地域の特性を生かした解決策を考える必要性を理解しました。「まちづくりや地域活性化を経済学で考える」を研究テーマにしたゼミでは、西宮市の公民館の利用者を増やす方法を考える課題に取り組みました。実際に公民館を訪問し、そばづくり体験や気象予報士の講演などのイベント会場の視察やイベントの企画会議にも参加する機会をいただきました。そして、若い人を対象にした体験型イベントの開催が利用者の増加に有効であるという結論を導き、西宮市へ体験型イベントを増加させる方法を提案しました。
フィールドワークには多くの出会いがあり、多様な価値観に触れることができます。調査のために多くの人と話すうちに、地域の課題を発見する力も身に付いたと感じます。
大学での経験を重ねるたびに、内向的であった私が積極的になっていることに成長を感じています。このコースの学びを生かし、卒業後は地元徳島県で地域振興に役立てる仕事をしたいと考えています。
経済学科 3年次
竹田 友紀乃さん
※掲載内容は取材当時のものです。
グローカルな視点で地域を豊かに。
人口減少や経済格差など、地域におけるさまざまな課題について経済的なアプローチで解決策を探るのが地域経済コースの学びです。
たとえば「産業立地と地域経済」という授業で登場した「ストロー効果」について。新幹線や高速道路などの交通インフラでつながった大都市が発展する傍らで、間に挟まれた地域の経済が破綻してしまう現象が各地で起こっています。一方で、グローバルとローカルを融合した「グローカル」という概念があります。その地域にとっては珍しくないものでも、世界に向けて発信すれば新しい価値が生まれることもある。経済の面白さはこの価値観の違いです。地域が持っている特色や強みを生かすことで、地域が抱える「ストロー効果」のような課題を解決する糸口が見つかるかもしれません。
地域経済はミクロな経済だと捉えていましたが、視野を広げれば世界を巻き込めるほど発展の余地があることに気付きました。特に私のような地方出身で地元に愛着を持っている人ほど、真剣に取り組める課題にたくさん出合えると思います。
経済学科 3年次
中村 直揮さん
※掲載内容は取材当時のものです。
数字やデータから
地元の良さを読み解いてみたい。
2年次から始まる専門コースの学び。地域経済コースでは、主に地域活性化の取り組みや地域経済の見方などに焦点を当てて学びます。
「産業立地と地域経済」という科目では、例えば、地元にビール工場を誘致しようとする場合、「企業ごとの生産コスト」や「都市圏へのアクセス」といったデータから、ある程度の成否を導き出すなど、リアルで実践的な学びが印象的でした。
高校の頃までは漫然と見ていた地元を走るトラックや、広い工場なども、それぞれに合理性や背景があると気づいたとき、「経済学の手法で世界を見るとはこういうことか」と感銘を受けました。
今は地域活性化に関わるゼミで、経済学の視点で地域を見直すという学びに没頭しています。「地域の特色をどう生かすか」を数字的な裏付けで支えることで、「数字やデータで気付く地元の良さもある」のです。
高校時代に授業中、先生が「地元を出たからこそ分かる地元の良さもある」という話をしていて、私が地元の愛媛を離れるきっかけの一つとなりました。この京都で学ぶ中で文化的な地元の良さから、経済学の観点から読み解いた地元の特色まで、まさに文字通り世界が広がるような学びに出会えたと思っています。
経済学科 3年次
児玉 梨緒さん
※掲載内容は取材当時のものです。
公共政策の土台となる経済の活性化に貢献できる公務員に。
所属する地方財政論のゼミで、財政という切り口で自分の地元についての調査を行いました。人口、高齢化率、財政状況など、自分が住んでいる町を詳しく調査・分析する研究です。このゼミには東北、北陸、中国地方など全国から学生が集まっており、それぞれの地域を調査したゼミ生の発表を聞くことで、地元の状況を客観的に把握する視点も養えました。また、プレゼンテーションの機会が多く、伝わりやすい話し方や資料の作成について気を配ることで実務能力の習得にもつながりました。研究を通じて、財政基盤が安定しないと町づくりが進まないことを実感。その意識から公務員をめざすようになりました。研究で培ったことを、地域経済の振興に役立てる仕事をしていきたいと思います。
経済学科卒
和田 将司さん
※掲載内容は取材当時のものです。
グローバル経済コース
世界経済の「つながり」を感じる学び。
いつか海外で働くことも視野に、グローバル経済コースを選択しました。このコースの特長は経済を最も広い視野で捉えられること。昨今の国際情勢や政治課題を絡めながら学べます。
例えば為替相場の動きで各国の経済活動が浮き沈みするし、アメリカと中国の関係が悪化すれば世界全体に悪影響を及ぼします。あるいは貧しい国に経済支援をしている国の方が、結果的に経済の恩恵を受けやすかったりする。
つまり経済は「世界を覆う1枚の布」のようなもので、どこかで強く引っ張ったりすれば、別のどこかで緩むところができたり。景気の良しあしも、どこか似ている気がします。
こんなふうに経済の視点から、世界の「つながり」を感じられることが、グローバル経済コースで学ぶ醍醐味なのかもしれません。
経済学科 3年次
天野 愛子さん
※掲載内容は取材当時のものです。
経済学の視点で
世界を動かす現場で学べた。
貿易や投資、開発などグローバルな経済課題を読み解くのがグローバル経済コースです。特に印象的だったのは2年次に履修した「開発経済学」という授業。
経済発展するにつれて、一度広がった不平等が縮小される「クズネッツのU字仮説」や国単位の貧困が発生するメカニズムを示した「マルサスの罠」など、世界で起きているさまざまな課題は、実は経済学の視点から解決策を模索していけることに驚きました。
こうした学びを経て2年次の夏には「海外研修科目」にも参加。タイへ赴き、経済や社会開発のための協力機関「国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)」を訪問しました。
そこで学んだのは、大学の講義でもたびたび耳にする「SDGs」の取り組みについて。「SDGs」とは、17の持続可能な開発目標を掲げた国際的なプロジェクトのことです。
例えば、貧困や飢餓をなくすには具体的にどうすればいいか。その解決策を導き出すために、経済学の知識やこれまで提唱されてきたさまざまな仮説が駆使されます。
経済という学びが実際に国や世界を動かす現場を目の当たりにしたことで、経済学が持つ底力を実感することができました。
経済学科 3年次
竹中 颯さん
※掲載内容は取材当時のものです。
人生が変わるほどの、出会いがあります。
コース選びの醍醐味は、目指すものが明確に、そして学びが専門的になっていくことだと思います。僕は留学をすることが目標の一つだったため、国際経済を学べるコースを選択。履修した科目の中では、アジア経済史や、開発経済学が特に面白く、だんだん自分好みの学びにのめり込んでいきました。ただそれ以上に、ありがたかったのは「出会い」だったと思います。各コースには、その道に精通した先生がいる。それこそ海外の大学院を出られた先生もいて「知見を広げろ、世界を広げろ」とよく言われました。そんな言葉に後押しされて、2年次の終わりにはカナダ留学を経験。その前後で英語の勉強に力が入ったことが、今振り返ると自分にとって大きな転機でした。経済学はもともと英語でつくられた学問なので、実は英語で学ぶと驚くほどスムーズに理解できます。留学後には自然と成績も伸びて、元・国連職員の先生の紹介で、以前から興味のあった国連のインターンにも参加。2年次のコース選択がいつのまにか、自分の世界が変わるような体験につながっていきました。
経済学科 4年次
迫 裕一郎さん
※掲載内容は取材当時のものです。