経済学部 フィールドワーク体験談

経済学部 独自のフィールドワーク
体験した6人の先輩が得たもの

地域活性化の施策やグローバル経済の問題解決など、現場での活動を通して経済学を深く探求し実践力を身につける経済学部ならではのフィールドワーク。各プログラムに参加した6名の学生にそれぞれの体験を語ってもらった。

地域活性化フィールドワーク
「たつの市地域創生アイデアコンテスト2021」に参加!

「地域活性化フィールドワークⅠ」という授業の一環として「たつの市地域創生アイデアコンテスト2021」に参加しました。京都産業大学をはじめ、大阪大学、甲南大学、同志社大学から、計8チームが柔軟な発想と創造力を活かしながら、市外の若者視点による新たな政策を考えました。約3カ月間にわたる調査研究の結果は、7月17日の最終コンテストにて、発表しました。本学は今回が初参加でしたが、審査員の方から政策の具体性を高く評価していただきました。

子育て支援制度「オムツバンク」の創設で、 1から2、3を生み出すチカラを習得!

山國 和希さん
  地域経済コース 2年次
兵庫県立龍野高等学校 出身

将来、公務員としてまちづくりに貢献したいと考える私は、地域の問題点や悩みを知り、具体的な解決法を考える貴重な経験になると思い、この授業への参加を決めました。たつの市について調査を進めるうちに見えてきた課題は、同市は子育て支援制度が比較的充実しているのにも関わらず、その情報が市民にあまり知られていないことです。また、ひとり親世帯の貧困率が高いこともわかりました。一方、子育て世代の割合は少なくありません。そこで市民からの子育て支援制度への関心を高められるサービスを考案しました。具体的には、不要になったオムツや赤ちゃん用品をバザーなどで集めて、壊れているモノは修理した上で、必要な方へ譲渡する、名付けて「オムツバンク」の創設です。これをきっかけに、たつの市が子育てしやすい町として市外に認知されれば、流入人口が増えて活性化につながると考えています。私自身は、これまでになかったサービスを作る過程において「1から2、3を生み出すチカラ」が身についたと実感しています。市役所の職員の方と交流を持ち、また他大学のプレゼンを観ることでも成長できたと考えています。

先輩との協働で多様な知識を身に付けながら、自発的に考動するスキルも養いました。

千葉 絵子 さん
地域経済コース 2年次
宮城県・仙台育英学園高校 出身

1年次は新型コロナの影響で対面授業が少なかったことから、2年次にはいろんな人と交流する機会を多く持ちたいと考えて参加しました。たつの市の魅力のなかでも豊かな自然や多様な食文化に着目し、バイタリティのある人にとって有効活用できる素材がたくさんあることをアピールすることに。対象者を探している時、長い海外生活から帰国した人々の活躍場所が少ないことを新聞記事で知り、マッチング可能だと判断しました。まずは、たつの市の魅力を体感できるバスツアーを企画。応募者に参加していただいた後、海外生活中に培われた行動力や発信力を活かして、たつの市の地域活性化プランを考案していただきます。この授業には2年生以上が参加できるため、3・4年生と協働する場面も多く、企画の立案に行き詰った時などに突破するノウハウも教わりました。ファイナンシャルプランナーの資格を持つ先輩は、政策提言の文書化などで良き手本を示してくれましたが、誰かに頼るだけではいけないと思い、現在では自ら考えて行動することを心掛けています。


グローバル経済フィールドワーク
IT先進都市に触れ、現地大学生と交流する海外研修プログラム

海外の経済活動に関心のある学生を対象とした、一週間の海外研修プログラムです。中国・上海に渡り、IT化が加速している都市の機能を体感することで、近未来における日本経済のビジョンを見通します。また上海の華東師範大学に通う学生達と現地滞在中、その後は日本に舞台を移して交流を行います。海外で生まれ育った同世代と合同で行う世界標準言語である英語による研究発表や意見交換により、知見を広げながら学びへのモチベーションが向上。異文化への理解が深まり、英語4技能の中でも特に「聴く」「話す」力が上達します。

国際都市「上海」のビジネスシーンを体感。将来はIT企業に就職し、グローバルに活躍したい!

小林 礼夏 さん
産業経済コース
(現ビジネス経済コース)4年次
兵庫県立豊岡高校 出身

華東師範大学の学生との英語による交流は、非常に刺激的でしたが、現地のフィールドワークも、大変貴重な経験になりました。商業や金融、工業、交通などの中心地である都市・上海の中でもトップクラスの企業を訪問し、最先端のビジネススタイルを目の当たりにすることで大いに刺激を受けました。また、都心部における経済活動に、当たり前のようにITが導入されていることに驚きました。日本でもキャッシュレス化は進んでいますが、上海においてはコインを見る機会すらほとんどありません。セキュリティにおいても生体認証システムが標準化され、一般の人々が暮らす団地でもAIによる健康管理システムが配備されています。中国よりも高齢化が進む日本におけるモデルになるのは間違いなく、当事者意識を持って見学できました。これを機にプログラミングに興味を持った私は帰国後、情報理工学部の授業を自発的に受講しています。現在の目標は、経済学の知識とコンピュータ系の技術を活かして、IT企業への就職を実現すること。国内でキャリアを磨いた後は、中国をはじめ海外を舞台に、グローバルに活躍したいとも考えています。
(2019年度参加)

華東師範大学との合同研究発表を通して、学びへの意欲とレベルの高さに刺激を受けました。

長浦 瑠奈 さん
産業経済コース
(現ビジネス経済コース)4年次
京都市立日吉ヶ丘高校 出身

私は上海という国際都市の先進性に感銘を受けると共に、華東師範大学に在籍する学生とのコミュニケーションを通してさまざまな刺激を受けました。同大の学生は学びへの意欲が高く、朝から晩までと言っても大げさでは無いほど勉強に打ち込んでいます。また日本を知りたい気持ちが強いことにも驚きました。基本的には英語で会話を行うのですが、日本の伝統や風習など、私たちが普段気にしないことまで、日本語で尋ねてくる学生もいたほどです。京都産業大学の学生が華東師範大学の学生に向けて行う研究発表において、私たちのグループは「AIと生活」をテーマに実施。私自身は、「年金だけでは足りない老後の資産を補うために、AIをどのように活用するべきか」を考察し、資料にまとめてプレゼンテーションしました。それから1カ月後、今度は華東師範大学の学生を京都産業大学に迎えて研究発表を聞いたのですが、私たちの発表した内容を踏まえて考えられたことも多く、素早い対応力と発表内容のクオリティの高さに、私自身ももっと頑張ろうと思い、その後の勉学に対する意識が変わりました。本科目以外にも、所属する大坂ゼミでスリランカの大学とも交流する機会もありましたし、幅広い学びが用意されている経済学部に入学してよかったと思っています。
(2019年度参加)


市場調査
京都を舞台にフィールドワークを展開し、「経営の経済学」を探究

ビジネス・エコノミクスを研究テーマに掲げる北村ゼミ。「経営の経済学」を体験的に学ぶために、フィールドワークによる市場調査を行っています。日本を代表する古都であり、先進的な国際都市でもある京都には、経済学的な視点から読み解くことで興味深い事実が浮かぶ研究テーマが点在しています。京都全体を舞台に「それぞれの地域で売れ筋や価格帯にどんな違いがあるのか」「その理由は何か」「どのように経営していくべきか」について、学生一人ひとりが現地調査を実践し、時には協働して集めた情報をもとに考察します。

仲間の協力を得ながら約350カ所で調査を行うなかで、計画力と分析力、働きかける力を身に付けました。

吉冨 直 さん
国際経済コース
(現グローバル経済コース)3年次
大阪府立槻の木高校 出身

私が取り組んだ研究のテーマは、「駐車場に視る地域特性と価格(駐車料金)の関連性」です。これまでにも立地条件と価格帯の関連性に関心を持っていた私は、ゼミの先輩が取り組んでいた先行研究を参考に、より発展させる形で取り組みました。先輩が広くコインパーキングを研究していたことに対し、私は商業施設併設もしくは周辺のパーキングという条件を設けることで、調査内容をさらに深掘りしていこうと考えたのです。1.5km×1.5kmのエリアを対象に約350カ所の駐車場を現地調査するなかで、同期の学生はもちろん先輩や後輩にもサポートしてもらい、自身がリーダーシップをとりながら共同作業を行う大切さと難しさを体感。ネット検索だけでは見えてこない気づきも多く、現場へ足を運ぶ重要性を実感しました。そして、調査後のデータの分析を通じて、商業施設ごとに駐車場の価格戦略が違うことがわかったときは、何事にも代えがたい達成感を味わいました。貴重な市場調査体験を通して身に付けた「計画力」と「分析力」、そして「働きかける力」は、社会に出てどんな職業に就いても必ず役に立つ財産だと考えています。

化粧品ブランドの戦略の考察と市場調査への参加を通じて、経済学的な視点で分析することの重要性を認識しました。

澤田 遥香 さん
ビジネス経済コース 2年次
愛媛県立今治西高校 出身

経済の理論や仕組みなど基礎固めを行った1年次。身に付いた知識がどこまで通用するか、現実社会で確認したいと考えたことから、フィールドワークによる市場調査に力を入れている北村ゼミに入りました。2年次のゼミでは、授業内の課題として、化粧品メーカーのブランド戦略を考察。数人のグループごとに異なる企業を選択し、ホームページや文献を調べてPowerPointによる資料作成を行いました。各グループの発表を通して、研究対象に対する着眼点やアプローチの違いに驚き、資料作成やプレゼンなどのヒントも習得。例えばデパートコスメというカテゴリーにおいても、「クール」と「ナチュラル」といった化粧品ブランドにおけるコンセプトの違い、それをアピールする広告展開、価格帯などが複雑に絡み合っていて、物事を経済学的な視点から見つめる大切さをあらためて認識できました。また、11月には、先輩の市場調査研究のフィールドワークに参加し、実際に現場で調べるためのノウハウを学びました。同期や先輩と京都の街中を探索するのは、とても新鮮で楽しい体験であると同時に、調査を円滑に進めるには事前の準備が大事であることを知ることができたのは、一番の収穫でした。こうした経験を活かし、3年次から始まる私の研究では、ドラッグストアにおけるプライベートブランドについて商品ラインナップや価格帯、フェイシング(陳列)について調査・研究しようと考えています。

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