■京都成章高校保護者会で今井法学部教授が講演
2002.06.11
京都成章高校 (上田正雄校長、 生徒数1,300人、 平成14年度から高大連携校) の保護者会が6月11日開催され、 今井 薫法学部教授が 「大学が求める若者像」 と題して講演し、 約800人の保護者が聴講した。 まず大学の起源と(1)現代の大学・日本の大学 (2)大学はどんな学生を求めているかについて、 レジュメに沿って話を進めた。 (1)の日本の大学制度では、 主としてヨーロッパのドイツ型 「大人の大学」 の系譜 (大人を取り巻くさまざまな問題の解決と、 人間が生きていくうえでの技術を身につける場所) を引きながら、 戦後は大学の大衆化の要請を受けてアメリカ型アンダー・グラデュエートをモデルとする 「子供の大学」 (学部 (教養学) の外側にスクールと呼ばれるさまざまな職業関連諸学学校) 化しながら今日に至っていると考えられる。 (2)では、 日本の大学は2つの機能を求められる。 その一つは、 高度な産業社会において専門的職業人機能を果たせる人材を供給する唯一の場としての 「大人の大学」 機能であり、またその過程である程度社会化され、 訓練された目的的行動をとり得る人材育成の場としての 「子供の大学」 機能である。 大学を職業教育の一環として捉えれば、 単なる学問研究能力のみならず、 十分な社会性を備えた人間こそ、 日本の大学生として求められる人材ということになるであろうか、 と題目の講演を終えた。 今井教授の保護者に対するメッセージとして 「有名な大学、 偏差値の高い大学に進学して欲しいという親の願いを子供に押し付けるのではなく、 向き不向きは本人が一番わかっているのだから、 大学や学部選びは本人に任せる。 親の言うととおりにして成功しなかった場合、 子供の人生の責任は取れない。 子供の思いを尊重することによって、 目標を設定し、 自分の人生設計のために必死に努力する。 親としてではなく、 人生の先輩として助言をしてあげてほしい」 と話を結んだ。
