令和4年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「中間報告書」 人間科学教育科目

「学習成果実感調査」についての分析結果

今年度より「学習成果実感調査」の実施方式が変更となり、学生が直接回答サイトにアクセスできるようになった。その結果、実施率が100%、回答率が36.8%となり、昨年度の実施率74.67%、回答率27.17%より向上したが3割強の水準にとどまっており、学生の授業評価をカリキュラムの検証・改善に役立てるためには、授業での協力呼びかけ等、一層の工夫が必要である。
設問7.「授業の満足度」では、全体で80%の学生が「強くそう思う」「そう思う」と回答しており、昨年度の85%より低下している。また、設問6.「成長実感」では78%の学生が「強くそう思う」「そう思う」と回答し、こちらも昨年度の80%よりやや低下している。設問3.「準備学習時間」では、30分未満の回答が25%と、昨年の20%より5%増加し、30分~1時間の回答(30%)と合わせると半数を超える。これらの項目をみると、満足感、成長実感、学びの姿勢における低下がみられるが、その理由としてアンケート調査方法の変更による回答者数の増加が挙げられる。昨年度は6,501名であったのに対し、今年度は11,858名と倍近くに増えており、昨年度に比べて幅広い学習者層が回答したと考えられる。したがって、その結果が反映したと考えるのが妥当だと思われる。
また、設問8.「受講決定理由で最も重視したもの」では、「講義内容」と回答した学生が54%であり、昨年の61%より7%低下している一方、「授業形態」と回答した学生が16%となり、昨年の10%より6%増加している。人間科学教育科目の多くはオンライン授業であり、学部の専門科目と比べて自由に受講できる点を考慮した可能性も考えられる。ただし、設問4.「授業の到達目標」では94%の学生が「60%以上達成できた」と回答している。今後は「授業の到達目標」について、内部質保証の観点からも、より具体的、実質的な内容の設定を考える必要があるかもしれない。
設問9.「基本科目と展開科目の関連性を考えて履修したか」については、60%の学生が「強くそう思う」「そう思う」と回答しており、昨年度の56%より向上した。この点はカリキュラム運営上評価できる。
全体として、今年度春学期の「中間報告」は満足度、成長実感、学びの姿勢がやや低下する結果となった。環境的要因として、アンケート回収率の向上によって学習意欲の低い層が加わったことが考えられるが、オンライン授業という授業形態が受講を決める理由の一つとしてとして重視されていることも注視しておきたい。この結果を広く共有することにより、授業の質向上、授業形態の選択、共通教育のカリキュラム改善に役立てていきたい。
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