令和4年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」 体育教育科目

1. 「学習成果実感調査」についての分析結果

秋学期のアンケートの実施率は100%、回答率は24.2%であった。春学期では実施率100%、回答率が34.7%であり、依然として回答率が低迷していることから、受講学生への一層の周知が求められる。
受講生の評価は、授業形態を問わず概ね好評であり、「自由記述」を見る限り各科目担当教員による授業資料や運営についての工夫や努力が評価につながっているように思われる。 履修希望者数は、実技科目の多くで定員を大きく上回る状況にあり抽選を実施している。当選倍率が10倍を超える科目もあり、学生の運動(スポーツ)へのニーズが高いことを示している。他方で、「定期的に運動・スポーツを行なっている」受講生は60%程度に留まっていることから、体育教育科目が学生に運動機会を提供する貴重な場となっていることが窺われる。

2. 総括

(1)1と2において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

健康に留意していると答えた学生は春・秋ともに90%程度と極めて高いが、他方で、日常的に体を動かす機会を持たない学生が春季で33%、秋季では39%の割合で存在している。また上記のように受講学生の評価も高いことから、体育教育科目は健康教育の場として、あるいは定期的な運動機会を提供する場として一定の役割を果たしていると考えられる。

(2)1と2において確認された改善すべき点

スポーツ科学実習では、近年種目数が減少しているところ、来年度からさらにクラス数を減らすことが決定した。定期的な運動習慣を持たない学生が多く存在する現状にあって、学生の運動機会を総体的に減少させる可能性があり、学生の運動欲求の不満、体力水準や健康状態などへの影響が懸念される。
他方、実技科目において抽選を実施しているにもかかわらず実際の受講生が定員を下回るクラスがあり、「自由記述」でも問題視する声がある。各クラスの定員設定が適正な水準にあるのか、歩留まり率を織り込んで今一度検討することも必要かもしれない。

3. 次年度に向けての取り組み

大学全体の方針としてコロナウィルス感染症への対応水準が切り下がり、開講形式や受講定員数などが正常化していくなかで、改めて開講クラス数・クラス規模の検討を行っていく。
とりわけ令和5年度は、スポーツ科学実習の開講クラスが大幅に減少する(14クラスから4クラスへ)。このことが受講希望者にどのような影響を及ぼすのか、その動向を注視するとともに、受講できなかった学生(=「実感調査」の対象とならない学生)の意見を掬い上げる何らかの手立てを講じる必要がある。
また、健康科学実習のいわゆるHクラス(障害者対象クラス)が通常開講ではなく、履修希望を待って随時開講するという形式になるので、その運営状況は慎重に見定めねばならない。
PAGE TOP