令和4年度 学部授業・カリキュラム改善に向けた「年間報告書」 人間科学教育科目

1. 「学習成果実感調査」についての分析結果

人間科学教育科目(145科目)は今年度もほとんどがオンラインで実施された。学習成果実感調査の実施率は春100%・秋100%、回収率は春36.8%・秋25.4%である。昨年度に比べて実施率は25%、回答率は10%程度向上した。今年度より実施方法変更により、学生が直接回答サイトにアクセスできることとなったことによると思われる。以下、今年度の春秋平均数値から分析を進める。
設問5「学びの面白さ」では81.5%、設問6「成長実感」では78.5%、設問7「授業の満足度」では81.5%が「強くそう思う」「そう思う」と回答し、前年度よりそれぞれ4.5%、1.5%、4.5%低下した。一方、設問8「受講決定理由で最も重視したもの」では、「講義内容」が52%であり、前年度に比べて6%低下している。新型コロナ感染拡大により3年間続いた遠隔授業に対して評価がやや厳しくなっていると思われるが、回答率向上により、幅広い学習者層が加わったことも考慮に入れる必要がある。一方、設問4「授業の到達目標」では94%が「60%以上達成できた」と回答しており、内部質保証の観点からも、より具体的、実質的な授業内容設定が必要かと思われる。設問9「基本科目と展開科目の関連性を考えて履修したか」については、62%が「強くそう思う」「そう思う」と回答しており、昨年度より6%上昇している。この点ではカリキュラムを理解し体系的に履修していることが窺われることから、評価できる。

2. 総括

(1)1において確認された、本学部の授業・カリキュラムの長所

学習成果実感調査の実施方法変更により、実施率・回答率ともに改善した。「学びの面白さ」「成長実感」「授業の満足度」において前年度より低下したとはいえ、ほぼ80%の学生が肯定的な回答をしていることから、一定の質は保たれていると評価できる。また、基本科目と展開科目のシステムについては理解され、機能していることが確認できる。

(2)1において確認された改善すべき点

3年間にわたり、ほぼ遠隔授業で実施されてきた人間科学教育科目に対して学生の評価がやや低下しているとも読み取れる。ただし、回答率が昨年度より10%改善したことにより多様な学習者層が反映されたとも考えられるため、今後も複数の観点からの分析が必要である。

3. 次年度に向けての取り組み

次年度より人間科学教育科目の約7割において対面授業が再開される。遠隔授業によって得られた新たな授業運営スキル、課題提出や受講者のニーズ収集の方法を活かしながらも、対面実施によって直接学生の反応を確認するメリットを活かしながら授業の質の向上に努めていく。
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