近年の日中米関係の動向
報告者 | エズラ・ヴォーゲル(ハーバード大学名誉教授) |
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開催場所 | 京都産業大学 上賀茂総合研究館 1階会議室 |
開催日時 | 2019年11月17日(日)12:30~16:30 |
研究会概要
ハーバード大学名誉教授 エズラ・ヴォ—ゲル氏を迎え、「近年の日中米関係の動向」についてご報告いただいた。
本研究会では、2019年7月に上梓されたばかりの氏の著作China and Japan: Facing Historyに基づいて、日中関係の歴史的枠組みを3つの時代に区分して、近年の日中米関係の動向を考察された。
日中関係の歴史を3つの時代に区分すると、①遣隋使と遣唐使の時代、②日清戦争以降、③鄧小平以降の時代、に分けられる。①の時代では、日本が国家づくりの基礎を中国から学んだ。②の時代では、開国以降の日本が諸外国から様々なことを学んだ結果、情報の取り扱いに長けたるようになり、清に勝利する要因となった。中国は西洋の近代化を日本から学んだ。③の時代では、日本は統制できないほどの強すぎる愛国主義のために、戦争に走ってしまった。
現在では、中国は「前向きの愛国主義」、日本は「後ろ向きの愛国主義」という状態にあるように見える。現在の米中関係は対立的であるが、より宥和的な政策へと転換することが必要である、と述べられた。
また研究会の後半は、2018年、2019年の本研究所の活動について当方よりブリーフィングを行い、長期的・本質的観点から、日中間の提携・協力関係のありかたについて、ヴォーゲル氏と様々に意見交換した。

