研究開発プロジェクト「親密圏内事案への警察の介入過程の見える化による多機関連携の推進」
京都産業大学社会安全・警察学研究所は、平成27 年度から30 年度まで、科学技術振興機構社会技術研究開発センター(JST/RISTEX)の委託を受けて、「安全な暮らしをつくる新しい公/私空間の構築」研究開発領域を構成する研究開発プロジェクト「親密圏内事案への警察の介入過程の見える化による多機関連携の推進」を実施しました。ここに、その研究成果をまとめて掲載します。
シンポジウム
児童虐待事案への刑事的介入における多機関連携
平成30年2月22日に、警察大学校警察政策研究センターとの共催により東京で開催しました。警察関係者、福祉行政関係者など約350名の参加を得ました。
基調講演
田村 正博(当研究所長)「児童虐待事案における警察の刑事的介入の現状と課題——個人保護型捜査における関係機関との連携を中心に——」(社会安全・警察学5号)
報告①
岡 聰志氏(横浜市南部児童相談所元所長)「児童相談所と警察の連携——児童相談所調査を踏まえて——」(社会安全・警察学5号)
報告②
仲真 紀子氏(立命館大学総合心理学部教授)「子どもの司法面接・協同面接の現状と課題」(社会安全・警察学5号)
報告③
酒井 邦彦氏(広島高等検察庁元検事長)「児童虐待事案への検察の対応——他機関との連携を中心に——」(社会安全・警察学5号)
コーディネーター
北村 博文氏(警察政策研究センター所長)
パネリスト
上記講演・報告者のほかに、
滝澤 依子氏(警察庁少年課長)
増井 敦(当研究所員)
児童虐待対応のための警察と福祉の対話をめざして
平成31年2月4日に、警察大学校警察政策研究センターとの共催により京都で開催しました。警察関係者、福祉行政関係者など約180名の参加を得ました。
第1部 講演
田村 正博(当研究所長)「警察の児童虐待への対処の現状と課題」
仲真 紀子氏(立命館大学総合心理学部教授)「子どもの報告を支援する—司法面接と非開示の子へのサポート—」
第2部 ワークショップ
①事件化は子どもの最善の利益につながるか?
《話題提供》岡 聰志氏(金沢ふたば保育園長、横浜市南部児童相談所元所長)・新 恵理(当研究所員)
《司会》内海 裕子氏(警察政策研究センター教授)・浦中 千佳央(当研究所員)
②児童相談所と警察をどうつなぐか?
《話題提供》清水 孝教氏(世田谷区児童相談所開設準備担当課、横浜市北部児童相談所元所長)・澤田 基浩氏(彦根子ども家庭相談センター副主幹、滋賀県警察より出向)
《司会》須賀 博志(当研究所員)
③子どもの報告を支援するにはどうするか?
《話題提供》安永 智美氏(福岡県警察北九州少年サポートセンター少年育成指導官)・田中 晶子氏(四天王寺大学人文社会学部准教授)
《司会》増井 敦(当研究所員)
論考等
所長 田村 正博
- 「警察の刑事的介入の基本的な考え方と近時の変容」社会安全・警察学4号、2018年
- 「親密圏内事案における警察の刑事的介入」社会安全・警察学5号、2019年
- 「警察の個人保護型捜査の課題」警察政策21巻、2019年
プロジェクトメンバー 岡聰志・清水孝教(元横浜市児童相談所長)>
- 「児童虐待事案における児童相談所の役割と他機関の連携について(上)(中)(下)」捜査研究792・793・794号、2016・17年
- 「児童相談所調査から見えてくる警察との連携における課題(調査報告)」社会安全・警察学5号、2019年(PDFにリンク)
プロジェクトメンバー 稻谷 龍彦(京都大学法学部准教授)
所員 増井 敦
所員 須賀 博志
所員 浦中 千佳央
客員研究員 山口 亮子(関西学院大学法学部教授)
主任研究員 吉田 如子
- 「英国における、児童虐待、DV等を中心とした人身保護対策のための多機関連携枠組についての資料」社会安全・警察学3号、2017年
- 「DV、児童虐待など親密圏における刑事事案に関する警察官の意識と行動」社会安全・警察学4号、2018年
- (浦中千佳央と共著)「警察大学校面接調査、調査票調査について」社会安全・警察学5号、2019年