吉田 曉永

YOSHIDA AKINAGA
国際関係学部 国際関係学科 助教
学位
博士(法学)(早稲田大学)
専門分野
国際法・国際人権法

研究テーマ

国際法、国際人権法、国連人権条約制度

高校生に向けた研究内容の紹介

国際法は、国家の合意である条約で主に成り立っていますが、私たち個人の人権を保障する条約がいくつもあります。日本は、国連で作られた10の人権条約に参加しているので、私たちと関係のない話ではありません。しかし、本来、国家と国家の関係のルールであるはずの条約が、(関係のない?)個人の人権をなぜ保障できるのでしょうか。私は、国際法における人権という重要でありながら、複雑な(よくわからない?)制度に関心を持ち、研究しています。

ゼミナール/研究室のテーマ

国際法模擬裁判
キーワード:生きた国際法を身に付ける

本演習では、国際法模擬裁判を通じて、国際法を能動的に学び、「生きた国際法」を身に付けます。皆さんは、「国際法」や「法律」と聞くと、「条文や判例を読むだけでつまらなそう…」と感じると思います(私自身、学部1年生の時にそう思いました)。しかし、国際法の学習方法には、「架空の事例を題材に学生が原告と被告に分かれて、国際裁判所の裁判官役の先生の前で弁論する」国際法模擬裁判があります。模擬裁判の面白さは、文献や判例で勉強した国際法を具体的な事実に応用できることです。また、模擬裁判での問題は、実際に起きている国際問題、例えば、外国の過酷な労働環境で作られた衣類の輸入を一方的に停止すべきか、第二次世界大戦中に発生した人権侵害に賠償を認めるべきか、などを扱います。「国際法についてあまりよく知らない…」と心配するかもしれませんが、「習うより慣れよ」、つまり、模擬裁判の問題に取り組んでいるうちに、自然に身に付いてくると思います。

ゼミ/卒業研究の紹介

例えば、「ロシアは、ウクライナ侵攻で、国際法に違反している」という説明に異論はないと思われますが、ロシアは「どんな国際法」に違反して、「どのような責任」を取らないといけないのでしょうか。実は、現実の問題を国際法に照らして考えることは思ったより難しく、それゆえ面白いのです。こうした考え方を練習するために、ゼミでは、架空事例を使って行う国際法模擬裁判大会に出場します。国際法を使った議論の楽しさを一緒に体験しましょう!

プロフィール

生まれは、東京で、京産大に異動してくるまで、ずっと東京で暮らしていました。なので、初めての関西での暮らしに戸惑う毎日です。休日には、サブスクやテレビではなく、映画館で映画を見るようにしています。映画館では、早送りもできませんし、スマホの通知で気が散ることもありません。ジャンルは、アクションからアニメまで様々なものを見ますが、国際法に関係する作品があれば、皆さんに紹介します。

高校生へのメッセージ

皆さんは、ウクライナ侵攻など、多くの人が犠牲になった紛争をうんざりするほど、ニュースで見てきたと思います。こうした紛争で、国際社会の法たる国際法は無力だと感じるかもしれません。しかし、国連の活動が停止していないように、国際法は機能し続けているのです。「国際法なんて意味がない」と考えるのではなく、「どうしたら国際法に意味が与えられるのだろうか」と考えられるようになることも、大学での学びです。