鈴井 清巳

SUZUI KIYOMI
国際関係学部 国際関係学科 教授
学位
法学修士(早稲田大学)、法学修士(名古屋大学)、経済学修士(名古屋市立大学)
専門分野
国際経済論、EU経済、地域統合

研究テーマ

EUの通商政策

高校生に向けた研究内容の紹介

ヨーロッパ27か国から成るEU(欧州連合)は世界最大の貿易圏であるだけでなく、日本にとって、米国・中国と並ぶ重要な貿易のパートナーです。特に、トランプ大統領や習近平国家主席が率いる二大超大国と比べると、比較的似た通商政策をとってきたEUは、成熟した先進国グループとしても日本と共通の問題や課題を抱えており、学ぶことが多いです。今後、ますます世界は混沌としてきそうです。そんな世界情勢の中、良きパートナーとしての日本とEUの経済・外交・安全保障などの関係は、その重要性を増してくるものと思います。

ゼミナール/研究室のテーマ

グローバル経済への国際関係論的アプローチ

グローバリゼーション、社会科学的想像力

スマートフォンやゲーム機器、各種家電などの製品は、複数の国から集めた部品を組み立て完成品となって、皆さんの手元にあります。また人間の基本的生活を支える衣食住にかかわる商品の素材・原材料も、多くは輸入に頼っています。私たちが便利で豊かな生活ができるのは、そうしたグローバル・サプライチェーン(世界的供給網)が成立しているお陰です。
しかし、どの国で生産された原材料が、どの国の誰によって、どんな手法で加工され、陸海空のどのルートを通って輸出され、どの国で完成品として組み立てられ、どんな流通ルートを通って小売店の店頭に並ぶのか、具体的に想像できるでしょうか?
更にこうした供給網のどこかで、様々な問題が起こっています。生産国でク—データが起きたり、農作物の収穫や鉱産物の掘削のため児童労働が行われたり、農地拡大のため熱帯雨林が伐採されたり、パンデミックによって生産や国際物流が止まったりと、数えきれない程ですが、具体的なイメージを思い浮かべられるでしょうか?
私のゼミは、プレゼンやディベートを通じて、身近な経済事例の中からグローバルな課題を掴み取ることができる「社会科学的想像力」の獲得を目標としています。

ゼミ/卒業研究の紹介

ゼミは「グローバル経済への国際関係論的アプローチ」を研究テーマにしています。私たちの日常生活の便利さは、実は世界中から輸入した機械の完成品や部品に支えられています。輸入に依存する「半導体」がなければ、皆さんのスマホもPCもゲーム機も、また自動車さえ動きません。文房具や家具、食品さえも、輸入品が多くを占めています。知らず知らずのうちに、グローバル経済の中で生活が成り立っているのです。それを「経済的相互依存」といいますが、依存先の国の政治情勢や、エネルギー事情、環境規制、戦争・内紛などが、その相互依存に大きな影響を与えます。ゼミでの学びを通じて、ますます複雑化する「経済的相互依存」を深く知り、将来の選択を考えることができるようになります。

プロフィール

名古屋で生まれ、高校まで過ごしました。高校時代はロックキッズで、Led ZeppelinやJeff Beckのコンサートを生で見たレアな世代です。その後大学及び大学院の生活を東京で送り、紆余曲折を経て、大学教員として最初のスタートを広島で切りました。そして2008年に京都産業大学外国語学部国際関係学科(現国際関係学部)開設とともに京都に来て20年近くになります。これまで調査や旅行で、海外の50ヶ国を訪問し、沢山の人々と交流し、多くの美しい都市や自然、世界遺産を見てきましたが、京都はその中でも、国際性が豊かで、伝統と革新の共存する特別な魅力のある都市です。こうした街で京都産業大学の学生諸君と一緒に学び、語り合える喜びを日々味わっています。

高校生へのメッセージ

60年の伝統があり、1万5千人を超える学生を抱える京都産業大学は、皆さんに飛躍のための多くのチャンスを提供することができます。豊富な講義、留学制度、国内外のインターンシップなどにとどまらず、自主学習のための真理館のスチューデント・コモンズや、サギタリウス館のグローバル・コモンズなどの充実した学びの場も豊富にあり、いつも学生であふれています。是非、それらを目一杯活用して自己研鑽を積みつつ、友人と切磋琢磨して、在学中に 多くの付加価値を付けてください。そうすれば、皆さんは神山に居ながら京都産業大学を超え、京都に居ながら日本を超えていけます。そして卒業後は、世界を舞台に活躍してほしいと願っています。