酷暑の中、文化学部 国際文化学科「国際文化演習ⅡA」「国際文化演習ⅠA」「国際文化基礎演習A」(担当:近藤 剛教授)のフィールドワークにて、京都市京セラ美術館を訪れ、「どこ見る? どう見る? 西洋絵画!―ルネサンスから印象派まで」の美術鑑賞を行いました。
近藤ゼミでは思想研究に重きが置かれているものの、ゼミ生の研究テーマは多種多様で、西洋美術についても高い関心が寄せられています。今回は、ひとりひとりの「どこ見る」を探ること(推しの一枚を見つけること)を共通の課題として、美術鑑賞に取り組みました。
学生からの感想を以下に抜粋して紹介します。
「今回の美術鑑賞で時代や流行によって全く違う特徴や作風があることを間近で感じました。そして絵画を見たままに解釈するのではなく、細部にまで注目して見ると全く違う見方ができることを学びました。例えば「神の仔羊」という作品には羊の頭の上に天使の輪っかのようなものが薄く描かれており、ただの捕まった羊を描いているのではなくそれはキリストを表しているものという話を聞き、自分の絵画の見方が180度変わりました。絵画の鑑賞の仕方という点で大きなものを学べました。」
「今回、京都市京セラ美術館の「どこ見る? どう見る? 西洋絵画!」を見に行って、西洋絵画の描写の細かさに驚かされました。キリスト教の宗教画では描かれている人物の表情がとても細かく表現されており、思わず見入ってしまいました。「悔悛するマグダラのマリア」という絵画ではマリアの泣いている表情を描いているのだが、涙を流させるのではなく、目を少し赤めに色を塗り、泣いているということを表現しており、驚かされました。また、途中から宗教画から風景画に作品の展示が変わるのも芸術に対する時代の意識の変化を感じとることができ面白かったです。」
一枚の絵画に出会うことから、それが描かれた歴史や、そこに込められた思想へと潜ることまで、文化そのものを体感することがゼミの学びの特質でもあり、これは来年度より新設される文化構想学科の学びのプロセスである「出会う」「潜る」「開かれる」に先駆けた取り組みでもあります。近藤ゼミでは、座学、フィールドワーク、プレゼンテーション、フィードバック、論文化がうまくかみ合うような学びを目指していきます。