教員紹介山縣 淳子
担当科目
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プロフィール
2009年 奈良女子大学大学院にて博士(理学)を取得
研究員として、京都大学基礎物理学研究所、バレンシア大学IFIC(スペイン)、
高エネルギー加速器研究機構、大阪電気通信大学、大阪大学核物理研究センターに所属。
2015年 国立大島商船高等専門学校 一般科目 講師
2017年 京都産業大学 理学部
研究内容
「質量の起源はなんだろう?」という大きなテーマのもと、陽子や中性子で構成される原子核の中での中間子の性質変化について研究しています。
中間子を原子核に束縛させた中間子原子核系を生成する実験を提案し、観測データと直接比較可能な生成断面積を理論的に求めます。
特別研究※(ゼミ)テーマ・内容
ハドロンおよびハドロン多体系に関する理論研究
物質の構成要素であるハドロンの性質を解明し、強い相互作用を理解することを目的として研究しています。特に、中間子を原子核内に束縛させた中間子原子核系を通じて、有限密度中における中間子の性質変化に関する理論予言を行っています。
※特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。
「質量」の真理に挑みます。
「質量とは何か?」ーーその問いが私の研究の中心にあります。例えば、同じ個数の原子でつくったアルミニウムと鉄の塊は、体積がほとんど同じなのに質量が倍も違う。何が質量を生み出しているのでしょうか。
そのヒントは、原子よりもミクロの世界、原子核の中に分け入ると見えてきます。原子核は原子の質量の99.9%以上を担っていて、その内部は超高密度の状態。原子核は陽子と中性子からできていて、さらに陽子と中性子は素粒子「クォーク」からできています。
ところが、陽子の持つ3つのクォークの質量を全部足しても、陽子の質量の1%にもなりません。陽子の質量(ひいては身の回りの物質の質量)の残り99%は、実は陽子・中性子の中でクォーク同士をくっつける「強い力」にあると考えられています。強い力は、自然界に存在する4つの力の1つで、残りは「電磁気力」「重力」「弱い力」があります。従って、強い力の解明こそが「質量の謎」に迫る鍵になるのです。
私が研究しているのは、陽子や中間子など、クォークからできている粒子「ハドロン」です。ハドロンが原子核に飛び込んだとき、原子核とハドロンの間にどんな力が働いているのか。これを理論的に調べ、また理論研究の立場から実験の提案をしています。例えば、茨城県の大強度陽子加速器施設(J-PARC)では、炭素原子核に反K中間子をぶつける実験を行っていて、私はその理論解析を進めています。
目的は、理論的に予想されている反K中間子と原子核の間の強い引力を検証することです。反K中間子は宇宙に浮かぶ半径10kmの原子核「中性子星」の内部にも出現すると考えられているので、中性子星内部の状態を再現することにもつながります。