教員紹介高谷 康太郎
担当科目
クリックするとシラバス検索画面が表示されます。さらに検索ボタンを押して確認してください。
プロフィール
2002年4月 国立研究開発法人海洋研究開発機構研究員
2014年4月より現職
研究内容
特別研究※(ゼミ)テーマ・内容
気象力学
私たちの生活に大きな影響を及ぼしうる異常気象や気候変動のメカニズムは、いまだ解明されていません。研究室では、それらの力学的なメカニズムを解明するための研究を行っています。
※特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。
「冬の研究」をしています。
地球規模で日本の冬を考える。
私が研究しているのは、“日本の冬”です。よく「今年の冬は暖かい(あるいは寒い)」という話がありますが、そのメカニズムを解明したいと考えたのです。
解明の手掛かりとなるのが「テレコネクション」。遠い(=テレ) ところが、つながって( =コネクション) いる。「エルニーニョ現象が起こると日本は暖冬になる」「ヨーロッパや北米で大雪になると数日後には日本にも寒波が来る」。
こんな現象もテレコネクションの一種です。ではなぜ遠いところの天気が影響し合うのでしょう?それには「偏西風」が大きく関わっています。世界のどこを探しても、日本の上空ほど強い偏西風はありません。真冬は特に強くて秒速70~80mにもなる。面白いのは、この偏西風が気温の境目になることです。大まかにいえば、偏西風の南側は暖かく北側は寒くなる。
そして、この偏西風がテレコネクションによって流れを大きく変えるのです。例えば、エルニーニョ現象が発生することで日本の南にある赤道付近の海面温度が上がると、偏西風が北側に押し上げられます。すると偏西風の南側にある暖かい気温に浴する地域が増える。これが「エルニーニョ現象が起こると日本は暖冬になる」仕組みです。
このように気象の研究を行うことは、地球規模のつながりを考えることでもあります。それだけに何に注目して研究に取り組むかの発想も重要です。学生が卒業研究で扱うテーマはそれこそエルニーニョ現象や、台風の発生件数の違いと理由、京都盆地の空気の流れなど。時々、固くなった頭ではとても思いつかないようなテーマを持ってくる学生がいて、すごく面白いですね。