教員紹介佐川 英夫

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佐川 英夫SAGAWA HIDEO

理学部 宇宙物理・気象学科 教授

学位
博士(理学)
専門分野
惑星科学、惑星気象学

担当科目

特別研究、地球惑星環境観測学、物理学実験、振動と波、地球惑星科学概論、大気物理学実験、気象予報技術、アントレプレナーシップとイノベーション

プロフィール

1978年 岡山県生まれ.
2007年 東京大学大学院(地球惑星科学専攻)にて博士(理学)を取得.
ポスドク研究員として、ドイツ・マックスプランク研究所(太陽系研究部門)、
情報通信研究機構 電磁波計測研究所を経て、
2014年より京都産業大学理学部に着任。

研究内容

太陽系天体(惑星、衛星)の大気の研究をしています。
惑星や衛星の表面を覆う大気(衛星の場合は非常に希薄な大気となる場合もありますが)がどういった組成から構成されているのか、どういった運動をしているのか、どういった大気化学が生じているのか等々、惑星大気の力学・放射・化学に関する情報を、望遠鏡や探査機を利用した観測を通して理解していくのが目的です。

特別研究(ゼミ)テーマ・内容

惑星大気および惑星表層環境の観測的研究

太陽系で大気を持つ惑星は、地球だけではありません。量の多い少ないに差こそあれ、どの惑星も何らかの「大気」を保持しています。研究室では、そうした地球や他の惑星の大気を観測することで新たな知見を獲得することを目的としています。


特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。

詳細観測を通して、惑星大気を解き明かす

地球の大気は1気圧、その成分は窒素78%、酸素21%、アルゴン0.9%で占められています。では、地球の隣にある金星と火星はどうでしょうか。惑星本体が岩石でできていることから「地球型惑星」に分類にされるこれらの惑星は、ほぼ二酸化炭素から構成される、地球大気とは成分の大きく異なる大気を持ちます。そして気圧も金星は地球の約90倍、火星は約1/150となっています。特に金星と地球を比べると、惑星の大きさもほぼ同じであるのになぜここまで大気の環境が異なるのでしょうか。そして、これらの惑星大気に普遍的に共通することは何なのでしょうか。地上望遠鏡や探査機から送られるデータの解析をもとにひもとくのが、この研究室の目標です。
私が研究で大事にしているのは「わからなさ」と徹底的に向き合う姿勢です。例えば、惑星大気が発する赤外線や電波のスペクトルを観測し、大気の微量成分を推定する研究手法があります。ノイズ成分しか見えていないようなデータだったとしても、決して無視できません。なぜなら、大事な情報が紛れているかもしれないからです。隅々まで解析しつくすのが、この研究分野の重要なポイント。モニターに映る観測スペクトルとひたすらにらめっこする、一見すると地味な研究です。しかし、データを丁寧に解析した向こう側には、まだ誰も知らない真実があるかもしれません。
そのロマンを、自然をどこまでも突き詰めて探求する面白さを、学生の皆さんにもぜひ感じてほしいと思います。そして、「わからなさ」と向き合えば、情報を論理的に整理する力も身に付くと考えています。物事をあえて抽象化して考えたり、掘り下げて情報収集を行ったり、あらゆる角度から考察する力を養えば、社会に出てもきっと役立つはずです。

受験生・在学生へのメッセージ

理系文系を問わず、何かを学ぶ・探究するということは、知的好奇心と想像力があってこそのものです。珍しいことや未知のことに興味が持てるというのは素晴らしいことだと思います。

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