教員紹介難波 隆弥

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難波 隆弥NAMBA RYUYA

理学部 数理科学科 准教授

学位
博士(理学)
専門分野
確率論

担当科目

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プロフィール

2018年4月 日本学術振興会特別研究員 DC2
2019年3月 岡山大学大学院自然科学研究科 博士後期課程修了 博士(理学)
2019年4月 立命館大学理工学部 助教
2021年10月 静岡大学学術院教育学領域 講師
2023年4月より現職

研究内容

数直線や平面の上を不規則に運動する粒子の軌跡のことをランダムウォークと呼びます。ランダムウォークは酔っ払った人が千鳥足となりフラフラとさまよう様子にたとえられて、しばしば酔歩とも呼ばれています。さて、長い時間ランダムウォークを眺めていると、何らかの法則が見えてくることがあります。このような法則を捉え、数学的に定式化したものを極限定理といいます。私はランダムウォークの性質が極限定理に与える影響、ランダムウォークが動く空間の幾何学的性質が極限定理に与える影響などに興味を持って研究しています。様々な分野の数学が深いところで関係する豊かなテーマで、興味が尽きません。

特別研究(ゼミ)テーマ・内容

確率過程論

時間とともに不規則に変化する現象を数学的に取り扱う際に現れる概念である確率過程を研究します。特に、代表的な確率過程であるランダムウォークやマルコフ連鎖、マルチンゲール、ブラウン運動等について、具体的な計算例や応用を意識して学びます。


特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。

ランダムウォークの性質が極限定理に与える影響について

私の専門分野は確率論で、中でも大学院在籍時代から強く興味を惹かれているのが「ランダムウォーク」と呼ばれる対象です。 多くの人がイメージしやすい「コイントスにおける裏と表が出る確率」を例に解説すると、理論上では表、裏が出る回数の比は1:1となるはずですが、実際に数百回コイントスを繰り返してみると、表、裏が出る回数の比は1:1とならず、バラつきが生じます。この結果を表が出たらプラス1、裏が出たらマイナス1のように数値化して数直線上にまとめると、ランダムな軌跡が観測されます。これはランダムウォークの典型例の1つです。興味深いことに、ランダムウォークを長時間眺め続けると何らかの法則性が垣間見えることがあるのですが、私はそのような法則を見出す研究を続けています。ランダムウォークの極限には興味深い法則が現れるはずだという確率論の思想に則り、ランダムウォークを考える環境や条件をどんどん取り替えてより複雑な検証を行い、「極限定理」の秘密に迫りたいと考えています。こうした研究の先には、幅広い分野への応用が開かれます。例えば、ランダムウォークに加えて確率微分方程式と呼ばれる概念を知れば、株価の変動を詳しく調べることができ、経済学や金融工学、数理ファイナンス等の分野の発展に深く寄与する学びが得られます。

受験生・在学生へのメッセージ

数学の学習では、つねに「なぜ?」と立ち止まり考える論理的思考力が重要となります。皆さんにはぜひ、数理科学科における学びの中でこの力を養ってもらいたいと考えています。また、歴史や語学、時事などの数学に直接関係しないことであっても積極的に触れてみてほしいと思っています。幅広い教養を身につけると、世の中を見る目がぐっと変わります。一緒に頑張ってみませんか?

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