教員紹介中嶋 祐介
担当科目
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研究内容
表現論・組合せ論の手法を用いた可換環と特異点の研究。
特別研究※(ゼミ)テーマ・内容
可換環論、環の表現論
「環」と呼ばれる数学的対象を研究しています。例えば、x^2+y^2=1をみたすx,yの集合は円となりますが、考える方程式を変えることでさまざまな図形が現れます。各方程式に対して付随する環を考えることができ、環を調べることで図形の性質を理解することができます。環と図形の間にある不思議な関係を理解するのが目標です。
※特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。
宇宙の謎も解き明かす? 環論で特異点の性質に迫る。
「環」と呼ばれる特別な集合について研究しています。環とは足し算・引き算・掛け算ができる集合のことで、たとえば整数全体の集合や、多項式全体の集合がこれに当てはまります。
この研究室では、環の性質を知ることからスタートします。そして環論をベースに、基本的な研究対象となる多項式を使ってさまざまな計算を試し、「この方程式からどんな図形が現れるか」「その図形はどんな性質なのか」を考えていきます。たとえば私が注目している「特異点」はその試行錯誤のなかで現れる対象の1つです。特異点とは図形上の尖ったり交わったりしている部分のことで、いわば“図形のアイデンティティ”。図形の性質を知るうえで避けて通れないものです。この特異点を理解するために、対称式や不変式といったさまざまな多項式への理解を深めていきます。
「ブラックホールも宇宙の特異点」といわれるように、特異点について突き詰めていくと宇宙の成り立ちに関する研究にも応用できる可能性があります。さらに、環論だけでなく表現論や組み合わせ論といった他の分野ともつながっていくところに面白さがあります。見た目が全く違うものでも数学的な性質をひも解いていくと、実は同じ構造をしていることもある。そんな発見に出会えたら「数学って楽しい!」と感じてもらえるはずです。
