教員紹介岸本 真
担当科目
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プロフィール
1999年 京都大学理学博士
1998年~ 米国 カリフォルニア大学サンタバーバラ校研究員
2002年~ 英国 エジンバラ大学講師
2006年~ ドイツ マックスプランク電波天文学研究所研究員
2014年より現職。
研究内容
特別研究※(ゼミ)テーマ・内容
さまざまな銀河の中心に潜む巨大なブラックホールの観測
私たちの住む天の川銀河をはじめ、ほとんどすべての銀河の中心に、巨大なブラックホールが潜んでいるらしい…、 一体そこで何が起きているのか。干渉計によるこうしたブラックホール周辺の直接探査を中心として、超高空間分解能観測による宇宙物理学の新展開を、学部生・大学院生とともに目指しています。
※特別研究とは、4年間の学びをもとに各自が研究テーマを設定し、教員の指導を受けて研究を深め、卒業研究としてまとめるもので、理学部での4年間の集大成となる重要な授業です。
観測装置の限界を超え、謎多きブラックホールに迫る
さまざまな銀河の中心に、明るく光る巨大ブラックホール系があると言われ始めたのが今から50年ほど前。そして、ここ10-20年の研究で、ほぼすべての銀河の中心に巨大ブラックホールがあることもわかってきました。しかし、ブラックホールの研究はまだまだ発展途上。こうした系は中心部に円盤構造を持つと言われ、可視光や赤外線で明るく光っていますが、やはり遠いので、地上最大の光赤外望遠鏡をもってしても、その構造を直接捉えることができません。
つまり、「空間分解能」が絶対的に足りない。空間分解能とは接近した2つの点をそれぞれ独立し た点として見分ける能力です。ブラックホールの観測においては、地球から月面にいる2人の人間を見分けるほどの緻密な精度が必要になります。
そこで、私の研究室ではこの空間分解能を飛躍的に高める観測を目指しています。その1つが、複数の望遠鏡を組み合わせて、より遠くの天体の大きさや構造を測定できる干渉計として使用すること。観測された干渉縞から、天体の画像を逆算する方法です。こうした赤外線干渉計での観測が、遠くて暗い巨大ブラックホール系でも十分可能であることを、2009年あたりから積極的に示してきました。また、最近では2021年に、カリフォルニアにある干渉計を用いて,巨大ブラックホール系の赤外線観測で世界最高の空間分解能を達成しました。
今ある観測装置の限界を超えるためには観測の本質を理解し、さまざまなアイデアを常に巡らせておくことが大切。観測技術が向上すれば、宇宙物理学が前進する大きな一歩になります。