浦中 千佳央

URANAKA CHIKAO
法学部 教授
学位
「博士(政治学)」(Docteur en science politique)
専門分野
警察学、政治学

研究テーマ

警察学:警察の人・組織の研究

高校生に向けた研究内容の紹介

私の研究内容は、法律学というよりは、政治学、社会学、文化人類学などを利用して、警察の人・組織の研究をしています。警察は私たちが望むと望まないとにかかわらず、私たちの生活に不可欠な「組織」であり「システム」です。しかし、今まで、あまり研究対象とされてきませんでした。警察を研究することにより、よりよい社会、生活の質の向上につながることを願っています。

社会安全学-実践的な学びで社会の安全・安心の実現を目指す

私のゼミでは、京都府警本部人身安全対策課と連携して女性安全対策チーム「Abelia(アベリア)」を結成し、痴漢・盗撮・ストーカーといった性犯罪被害を抑止する啓発活動に取り組んでいます。誰一人として被害者にも加害者にもさせないという使命感の下、学生目線で対策を講じ、多様な観点から女性の安全確保に努めています。
性犯罪を未然に防ぐには、あらゆる事例を想定しておかなければなりません。例えば、障害のある人が知らないうちに性犯罪に巻き込まれているケース。そういった場合は、本人への安全意識の教育だけでなく、周囲や施設への協力要請も重要な鍵を握ります。万が一被害に遭ってしまった際の受け皿の周知や、加害者となってしまった場合の公的支援に関する情報の共有など、さまざまな角度から犯罪抑止の術を考えていく必要があるでしょう。
学生には、自分たちの活動が地域貢献の一翼を担っていることに誇りを持ち、この貴重な経験を将来に生かしてほしいと願っています。

Column
先輩の声
職業観と倫理感が養われる
実践的な学びの場

京都府警と連携して女性安全対策を講じるこのゼミは、警察官を目指す私たちにとって何にも代え難い学びの場。リベンジポルノ被害の防止を目的としたターゲティング広告を制作したり、一人暮らしの女性に防犯チラシを配布したり、アスリート盗撮を防ぐために競技場で呼びかけたりと性犯罪防止の啓発に努めています。こういった活動が地域の安全につながっているという自信は、私たちの大きな財産です。リアルな現場を経験する中で警察の意義や仕事のやりがいを再認識し、この道を志す気持ちがさらに強くなりました。これからも初心を忘れず、安心安全の観点から社会に貢献したいと思います。

法律学科 3年次 中野 龍治さん
法律学科 3年次 増田 世奈さん
法律学科 2年次 小林 もかさん

※掲載内容は取材当時のものです。

ゼミナール/研究室のテーマ

社会安全学

「社会安全」をキーワードに学生がテーマを設け、発表、討論を行います。アルコールやタバコ、ギャンブルの依存症など、テーマは多岐にわたります。これらの問題をいかに解決するか、法律学や社会学、政治学などの手法を用いて理解を深めています。

ゼミ/卒業研究の紹介

ゼミでは社会安全学を教えています。当ゼミで扱う「社会安全学」は犯罪予防だけでなく、自然災害(地震、台風など)の防災・減災、工業災害(原発事故、工場)、交通における安全、環境問題など幅広く研究しております。学生の進路としては警察官、消防官、公務員が多いですが、鉄道会社、金融機関、エンターテインメントなど幅広い分野の羽ばたいていきます。
また、女性安全対策チーム「Abelia」(アベリア)を立ち上げ、警察や市役所と協働で安心・安全の啓発活動を行っております。

プロフィール

三重県出身です。大学入学により山梨県へ行き、その後、フランスのトゥールーズ(Toulouse)第1大学へ留学、学位(博士)を取得しました。フランスには15年ほど滞在していました。現在、毎週日曜日、保護猫のシェルターにあるCat Cafeでボランティアをしています。動物が特段大好きということではありませんが、このような運命のようです。座右の銘は「先即制人,後則為人所制」、「こまけぇことたぁいいんだよ」

高校生へのメッセージ

海外生活が長かったので、日本の長所・短所がわかります。フランスで培った人脈は今でも、公私にわたり役に立っております。皆さんはまだ、若いので、是非、海外へ旅行、留学にでも行ってください。最後に頼れるのは国、家族、友達ではありません、自分自身です。是非、激動の時代に生き抜く、知識、スキルを大学の4年間で獲得してください。