中村 邦義

NAKAMURA KUNIYOSHI
法学部 教授
学位
修士(法学)中央大学
専門分野
刑法

研究テーマ

故意の体系的な地位の考察と新たな錯誤論の提唱

高校生に向けた研究内容の紹介

刑法は故意犯処罰が原則で、過失犯処罰は例外的です。それゆえ、すべての犯罪にとって、故意の有無は最重要問題です。しかし、人生には勘違い(錯誤)がつきものです。行為者が主観的に捉えた事実とその行為から客観的に生じた事実にいかなる相違があれば、故意が否定されるのでしょうか。たとえば、襲われたと誤解して、正当防衛のつもりで反撃してしまった場合や、租税法を誤解して脱税してしまった場合など、故意をどう扱うのかについて研究しています。

ゼミナール/研究室のテーマ

刑法解釈の研究

どのような行為が犯罪となり、いかなる刑罰が科されるのかを明らかにするのが刑法です。このゼミでは、実際の事案を素材として学生が検察側と弁護側に分かれて討論し、法的な知識、論理的な思考、説得力のある主張など、社会でも必要なスキルを身に付けます。

ゼミ/卒業研究の紹介

ゼミでは、刑法の事例問題について、ゼミ生らが検察側と弁護側に分かれて発表の準備をし、議論をします。それは、単に法律家を育成するトレーニングということではありません。自分と異なる価値観をもつ相手とも説得力のある理由づけに基づいて議論をし、相手の主張に傾聴しつつも、解決の糸口を見いだすことは、唯一絶対の正解がない現代社会の多くの課題を解決するのに必要な能力でもあります。ゼミ生たちは実際に、そのような能力を身に付けて、社会の幅広い分野で活躍しています。

プロフィール

大学に入学するまでは正直に言えば勉強はあまり好きではありませんでした。しかし、大学2年生のゼミで勉強の楽しさに目覚め、3年次秋学期にゼミの先生から「お前も俺みたいになるか」というお声かけに、それなら好きなことを仕事にできるじゃないかと楽観的に思い込み、研究者を志すことにしました。道程は必ずしも平坦ではありませんでしたが、人生の多くの時間を好きなことに費やすことができるのは幸せだと思っております。

高校生へのメッセージ

皆さんには多くの可能性があります。努力次第では将来どのような仕事でもすることができるようになれます。特に大学生は高校時代よりも自由な時間が多くなります。学科の勉強だけではなく、部活やアルバイト、ボランティア活動、海外留学、資格試験受験などによって、知識や経験も増え、多様な価値観にも接して視野が広がり、大きく成長することもできる大切な時期です。本学はそんな皆さんを全力でサポートする体制を整えています。皆さんとお会いできることを楽しみにしております。