
研究テーマ
高校生に向けた研究内容の紹介
人類の歴史(大きなスケール)から日常のやりとり(小さなスケール)までを幅広く射程に入れて、法の多様な機能(望ましい働きから望ましくない働きまで)を明らかにしようと試みています。
裁判外紛争処理-実践的に学ぶ紛争への対処方法
対⽴や争いごとといった紛争への対処方法について、裁判だけでなく、裁判外での交渉や和解まで視野を広げて、幅広く学んでいます。また、事後的な解決策だけでなく、事前の予防策まで視野を広げて、幅広く学んでいます。
学び方については、体感的に理解できるように、実験やRPG(ロール・プレイング・ゲーム)の手法を用いるなど、工夫を凝らしています。また、学んだことを実際に活用できるようにするため、シミュレーション形式の実践的なトレーニングも行っています。その際、実際に起こった事件だけでなく、仮想の世界を舞台とする事件を創作して、対処の仕方を訓練しています。学生たちは「問題の原因は?」「どのような⼈間関係なのか?」「法的にはどのように判断できるのか?」「大局的に見ると最適な選択は?」といった多様な観点から考察を加え、様々な学術的知見を参照しながら、対処⽅法を探究しています。
こうした体験を通して、「なぜ法が必要か」といったことも理解しやすくなると思います。また、様々な学術的知見を本当に身に付けることができるようになると考えています。
Column
先輩の声
普段の生活でも活かせる学び
久保ゼミは、実践形式で紛争処理に取り組むところが魅⼒。法律や人の感情に関する様々な知識を「どう活かすか」を学んでいます。今はA〜Fの6つの班に分かれて、様々な知識の活用の仕方を体感して理解できるように、実践的な練習問題と解説を自分たちで制作し、順番に発表しています。たとえばA班は紛争が起きる原因の分析、私たちのD班は対⽴が起きた場合の対応パターンなど、基礎から応⽤まで、取り扱うテーマが段階的に設定されています。
このゼミで扱う「紛争」は、身近な家族内での争いや企業間での揉め事、国際紛争など様々です。様々な紛争への対応策を考えるうちに⾏き当たったのは、怒りに任せるだけでは何も解決しないということ。親とよく⼝喧嘩していた昔の⾃分⾃⾝を振り返ってみても「あの時こう対処しておけば、もしかしたら」と思い当たることがあります。価値観の違いを埋めることや感情をコントロールすることが容易ではないからこそ、法律という「客観的」な指針がキーになってくることが理解できました。
今の私なら、トラブルに巻き込まれた⾝近な⼈に⼿を差し伸べることができるかもしれない。⾝に付けた知識がすぐに普段の生活でも活かせることも、この分野を学ぶ⾯⽩さだと思います。
法政策学科 3年次
佐藤 莉子さん
※掲載内容は取材当時のものです。
ゼミナール/研究室のテーマ
裁判外紛争処理
裁判に限定せず、裁判以外の多様な方法も射程に入れ、どのように紛争の解決や予防を行うかを、実験やRPG を用いて体感的に学びます。「試して合点」できる体験型の学習メソッドを用いることで、専門知識をしっかりと身に付け、実際に使えるようにします。
ゼミ/卒業研究の紹介
法の働き(と同時に、社会がどのように成り立っているのか)について理解する上で、格好の糸口となるADR/Mediation(交渉を介した紛争予防・解決)を研究テーマとしています。ゼミ生たちは、創意工夫を凝らして楽しく斬新に、理論的かつ実践的な力が着実に身に付くような挑戦的取組みを、日々行っています。