教員紹介落合 恵美子

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落合 恵美子OCHIAI EMIKO

現代社会学部 現代社会学科 教授

学位
博士(社会学)東京大学
専門分野
家族社会学 ジェンダー論 福祉社会学 アジア研究

研究テーマ

日常の中の些細な違和感や問題意識から出発して、それがどのような社会的背景に支えられているのかを知り、解決のための糸口を探る—社会学の魅力をひとことで言い表すなら、そんなことになるでしょう。「パーソナルイズポリティカル」(個人的なことは政治的・社会的なこと)という標語は、社会学的想像力そのものです。 わたしの出発点にあった違和感は、女性であること、アジア人であることに深く関係していました。そこからジェンダーと家族の比較研究に乗り出して20年。欧米や東アジアのみならず、東南アジア、南アジア、西アジアの方たちとも共同して現地調査を積み重ねる一方で、家族は愛し合わなければいけないのか、アジア社会は伝統的に男尊女卑なのか、というように、常識とされてきたことを疑うのを信条としてきました。現在は、超低出生率と結婚離れが進む日本を含めたアジア諸社会を生きやすい社会にするため、ケアの価値とジェンダー役割を見直し、福祉国家を再編成する提案を行うことを、主な研究テーマにしています。主な著書に、『21世紀家族へ』(有斐閣、中国語訳は《21世纪的日本家庭,何去何从》)、『親密圏と公共圏の社会学』(有斐閣)、『リーディングス アジアの家族と親密圏』(共編著、有斐閣)、『どうする日本の家族政策』(編著、ミネルヴァ書房)、『東アジアは儒教社会か?』(共編著、京都大学学術出版会)、Asia’s New Mothers (共編著、Brill)などがあります。

今年度の担当科目

家族社会学、現代社会の諸問題B、演習

プロフィール

社会学者よりも人類学者になればよかったじゃない、と言われるくらい、何でも食べられます。好奇心が強いんですね。ですから、世界のいろいろなところに出かけていってフィールド調査をしてきました。この2年くらいで行った場所は、韓国、タイ、台湾、インドネシアです。イギリス、フランス、スウェーデン、中国などで在外研究を行ったこともあります。「方法論的コスモポリタニズム」と言いますが、いまどき一国の中でものを考えていたら、その国のこともわかりません。世界の人たちとともに考えたり活動したりすることの楽しさと意義を広めていきたいと考えています。

学生へのメッセージ

社会学に関心をもつ人には、切実な個人的な問いをもっている人が少なくありません。そういう人たちには、「<わたし>から始める」ことを遠慮しないで、と言ってきました。超個人的な問題だと思っていることも、必ず社会とつながっています。そのつながりが見えてくると、このことで悩んでいるのは自分だけではないんだ、と気がつくことができます。そこから、わたしは社会のこういう部分が引っかかっているんだと分析できるようになります。自分が深くこだわっている問いは、必ず社会の深いところに届くはずです。 自分の経験で止まってしまっては、自分も救えません。そこからいったん身を引き離して、他の人たちにとっても意味のある、一般性をもった問いと答えを目指すことです。わたしにとってはそのための方法が「歴史」と「比較」、つまり「いまここ」ではないところに立って発想してみることでした。向いている方法は人によって違うと思いますが、大学時代にぜひいろいろ試してみて、自分に合った方法を見つけ出してください。

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